夫が不倫をやめた後も、どうしても許せない(後編)

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そして、そのとき夫が見せる反応には、大きく分けて二つのパターンがあります。

ひとつは、「またか」とばかりにうんざり、逆ギレ、冷たく突き放す、といった反応。

もうひとつは、あなたの気持ちを受け止め、できることをやり続けようとする反応。

まるで真逆の反応ですが、これはご主人が、あなたの言葉や態度をどう受け止めているかの差です。

前者は、「そうやって俺を責めたいんだろ」「まだ俺を許せないんだろ」など、いわば『攻撃されている』と思っています。

後者は、あなたの言動が不安からきていることを理解していて、『安心させたい』と思っています。

ご主人が、このどちらに意識を向けるかによって、その後のあなたの心情は大きく変わってくるでしょう。

実際、夫婦コンサルティングをさせていただくなかで、ご主人が奥さまのフラッシュバックに対して、『今でも僕を許せず、責めたいんですよね』とおっしゃることがあります。

私が、「奥さまはご主人が憎いわけでも、責めたいわけでもなく、ただ不安で仕方がないだけです。フラッシュバックも、発作的になってしまうもので、ご主人に当てつけたものではないのですよ。そういうときは、どうか奥様の気持ちを受け止めて、そばに寄り添ってあげてください」とお伝えすると、それだけでも、妻さまに対する誤解が解けて、ご主人の態度が一変することがよくあります。

そうした夫の変化によって、妻のほうも少しずつ心の傷が癒えていって、不安も治まり、フラッシュバックもなくなっていくようになります。

ただし、これは一朝一夕にできることではありません。

わたしはいつも、『夫婦関係の修復は、おふたりの共同作業です』ということを申し上げています。

ご夫婦がお互いに、相手がこんな風に思ってくれていたとか、想像以上に辛い思いをしていたことが見えてきて、これまで気づけなかったことに気づき、わからなかったことがわかり、今まで以上にお二人が理解を深めていくなかで、「雨降って地固まる」のごとく、夫婦の関係が不倫の苦しみを乗り越えて、今まで以上に強まっていくのです。

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