浮気によるアイディンティティの喪失について

夫の浮気によって、アイデンティティを失ってしまう方がいます。

アイデンティティとは、『私はこういう人間です。自分の長所はこうで、短所はこうです。私はこういうことが好きで、こういうことが嫌いです』といった、自分が何者なのか、自分の『ありかた』を示すものです。

どんな人にも、アイデンティティはあります。

でも夫の浮気によって、妻のほうがそれまでの自分を否定されたように感じて、自らのアイデンティティを失ってしまうことがあるのです。

ある方のお話です。

『以前の私は今とはまったく正反対の性格でした。明るく、自信に満ち溢れ、なんでも積極的にやるタイプでした。

でも、夫の浮気が発覚してからは、私はまったく逆の性格に変わりました。

自信をなくし、否定的で、自分を責めてばかりいます。

それは、かつての私が、積極的ゆえに夫の話をあまり聞かず、自分の判断で物事を進めてしまい、夫に対しても上から見下すような言動をしていたことに気づいたからです。

そのことを夫から指摘されたとき、私は反論ができませんでした。

それからの私は、今までの自分の性格を封じて、できるだけ夫の意見を尊重して、言葉にも気を付けて、夫の気持ちを理解するように気をつけています。

実は、それ自体は私自身、よかったと思っています。

かつての私よりも、今の私のほうが、人の話もちゃんと聞くし、性格も穏やかになれた気がするからです。

でも、それと同時に、今までの自分に対して否定する気持ちが根付いてしまい、自信をもって物をいうとか、判断するとか、行動するということができなくなってしまいました。

いつも不安で、何かを決めるときも、悪いことばかり想像してしまうんです』

この方のように、夫から浮気の原因が妻にあることを指摘されて、自分自身を批判するあまり、それまでの性格を内面から改造してしまうことがあります。

ただ、この方が言っておられるように、自分に欠点を改善する機会となることもあり、すべてを一概に害悪だとは断言できませんが、問題なのは、その人の持つアイデンティティをすべて否定して、しかもこうなったのは自分のせいだ、とすべての責任を背負いこんでしまおうとすることです。

そもそも人間はいいところばかりではありません。

短所もあるし、欠点もあります。

夫が何を言ったにせよ、彼が浮気したことの原因を、すべて妻一人が責任を負うというのはナンセンスな話です。

浮気したのは本人の意思であり、本人の過ちであり、本人に非があります。

だた、自分にその引き金となった点に心当たりがあり、自分に反省の余地があるなら、自分の意思で反省し、改めていけばよいのです。

アイデンティティの喪失は、実は浮気よりももっと大きな問題であり、大きなダメージです。

夫の浮気で、あなたがそこまで痛手を負う必要は全くないのです。