ご相談の中で特に多いのは、妻のフラッシュバックに対するものです。
たとえば、、、、
『妻は私をどうしても許せないようです。フラッシュバックのたびに、妻は私を責め続けます』
『妻がフラッシュバックで苦しんでいるときに、私はどう接したらいいかわかりません』
『妻は私にもっと誠意を示せといいます。フラッシュバックが収まらないのは私のせいだというのです。でも、私なりにできることはすべてやりました。これ以上はもう、、、、』
電話口で、なかば途方に暮れた感じで『牧口さん、僕はどうしたらいいんですかね?』とおっしゃる方もいらっしゃいます。
浮気から覚めた今となってみれば、『どうしてこんなことをしてしまったんだろう』とか『思い返しても自分自身に腹が立ちます』と反省や後悔の念を抱きながら、妻との関係が思うように修復できず、夫自身も相当しんどい思いをしているケースが大変多いのです。
そもそもフラッシュバックって何かというと、、、、
フラッシュバックは、心に大きな傷を負った時の記憶が鮮明に思い出されて、不安や悲しみ、怒りといった感情が爆発して表面化したものです。
浮気によるフラッシュバックでは、泣いたり叫んだり、物を壊したり、中には暴れたり暴力をふるったりするケースもあります。
専門的には、PTSD(Post Traumatic Stress Disorder心理外傷後ストレス障害)または症状が一か月以内のものは急性ストレス障害と呼ばれます。
さて、夫婦関係を修復していく際に、妻にこのようなフラッシュバックが起こることや、そのときに自分がどうすればよいかを理解できている男性はほとんどいないと思います。
むしろ、浮気を認めて謝罪し、相手女性と別れてしまえば、それで妻は許してくれて、夫婦はすぐにもとに戻れると考えている男性がはるかに多いです。
私がご相談いただく中で、夫の浮気でフラッシュバックを経験されている女性は、程度の差はありますが、全体の7割程度に及びます。
フラッシュバックが収まるまでは、妻の精神状態は不安定になりがちですし、落ち着くまでの期間も半年~1年以上かかる方が多数いらっしゃいます。
私が実際にご相談を伺った方のケースでは、10年以上も前からフラッシュバックに苦しみ続けているという方もいらっしゃいました。
一方、実際にご相談いただく男性にお話を伺ってみると、フラッシュバックがあったとしても、それがこれほど長期間に及ぶとは考えておらず、夫婦関係の修復に必要な期間も、数日から一か月以内と考えられている方がたいへん多く、この点でも大きな温度差があるように感じます。
あるご相談者の方がおっしゃっていましたが、『主人は最初のうちは優しく、気遣ってくれました。でも、一週間もしたら、終わったことのように平気な顔をして、お酒を飲んで、テレビを見て笑っていました。私のなかでは全然終わっていないのに、夫はもう、私に許してもらえたと思っているんでしょうか?』
この答えを聞くと、多くの男性は愕然とされるかもしれませんね。
つまり、夫が一週間程度で『もう終わったこと』と考えることは、妻にとってまるで置き去りにされたような気持ちになり、反省が足りない、誠意がないというふうに映ってしまうことがあるのです。(後半に続く)