女性にとって『男性心理』とか『男性の思考』はなんとも謎めいたもののようで、『彼が何を考えているのかわかりません』といったご相談もたいへん多く寄せられます。
これはもちろん、その男性個人の価値観や考え方が不可解だ、ということもありますが、そもそも人間の脳は、はるか数百万年に及ぶ人類の進化において、男性と女性とでそれぞれ異なった特性を持つようになり、ある意味それが、お互いを一層わかりずらくしている一面があります。
そしてこれは、あなたとご主人との間においても、例外ではありません。
脳の特性が違うということは、つまり、あなたのご主人は、あなたが一番大切だと思うことを、必ずしも一番ではないと考えることがあるということです。
そして、あなたにとって絶対に避けたいことが、彼にとってはあまり大きな問題ではなかったりします。
また、あなたにとって、わかっていて当たり前のことが、彼にはまったく想定外のことだったりします。
もちろん、夫婦として大切なこと、守りたいことの価値観がバラバラでは困ります。
あなたが「こうありたい」と思う幸せに対して、彼が同じように幸せと感じ、大切にしてくれることは、良好な夫婦関係を保つうえで、ぜひとも必要なことです。
しかし、こうした特性の違いが男女間にあることを理解していないと、『私たちは夫婦なんだから、彼も同じ思いを抱いているはず」とか「私のことが好きなら、彼は必ずこう言ってくれるはず」など、あなたの基準で彼を判断しようとしたり、わかってくれる前提で話をしてしまいがちです。
ところが、ご主人からは期待した言葉もなく、想いすら通わないことに愕然として、当初抱いていた思いはあっけなく打ち砕かれ、逆にご主人の発する言葉や態度にショックを受けたり、失望して彼とやっていくことに自信をなくしてしまうかもしれません。
そして、それはご主人に対する不満となり、「彼はすぐに指図するけど、私のことを少しも理解してくれない」とか、「私がいくら言っても改めてくれないのは、私を愛してないからだ」とか、あるいは逆に、「彼が私の言うことを聞いてくれないのは、私の愛情が足りないからだ」とか、「彼がすぐに怒ったり、黙り込んだりするのは、私が悪いからだ」などと、見当違いな解釈を持ち、ますます悩みを深くしてしまう恐れもあります。
逆にいうと、こうした男女の特性の違いをあらかじめ理解しておくことで、ご主人と考え方が違うことに失望したり、過度に不安を感じることもなくなりますし、もともと思惑通りにいかないことを想定できますから、その前提で「じゃぁ、どうしたらいいのか」を考えることができます。
たとえば、『わたしの気持ち、どうしてわかってくれないの?』と泣いて訴えても、男性は困惑したり面倒くさくなるだけで、なかなかあなたの気持ちを理解できません。
でも、言い方ひとつを変えるだけで、彼はあなたの気持ちを知り、あなたが何を望んでいるかを理解することができます。
理解して、自分の意思が伴っていけば、ご主人の行動は変わります。
そのあたりのことは、『夫婦問題:夫をカスタマイズするということ』など他の記事でも書いていますので、よろしければ目を通してみてください。
また電話相談でも、具体的な対応の仕方などをお伝えしていますので、お悩みの方はお電話くださいね。