浮気が始まって最初の3か月~半年ほどの間は、相手女性に恋をした状態で、いちばん盛り上がる時期です。
これはよくいわれる「ハネムーン期」に相当します。
『あばたもえくぼ』ということわざがありますが、この時期は相手女性のことがとにかく好きで、どんなことも許せて、素敵に思えます。
ところが、半年以上経過していくと(個人差ありますがだいたい半年~1年後くらい)には、こういうときめきや刺激的な感覚は必ずトーンダウンしていきます。
この時期のことを『幻滅期』といいます。
幻滅期に入ってくると、それまでは相手女性のことが大好きでなんでも許せていたのに、彼女のイヤなところや、気持ちが全然合わせられない部分が見えてきて、文字通り彼女に幻滅していくことが増えていきます。
ささいなことで喧嘩をするようになったり、相手に対する不満が募ってくるようになります。
彼女に対する気持ちがトーンダウンしてくると、逆に『ああ、こういうところは妻のほうがちゃんとしてるな』とか『ここは妻のほうがわかってくれてるな』というふうに、自分の妻を見直す、というところが出てきます。
相手女性を見ていた分、妻のことがよりよくわかってくるというわけです。
そうすると、いままで浮気をして妻のことにほとんど無頓着だった夫が、なんだか急に優しくなったり、スキンシップを求めてきたりして、気持ちを取り戻そうとするようになり、夫の浮気に感づいている妻から見れば、『浮気しておきながら、なんでそんなに優しくできるの?』となるわけです。
いずれにしても、浮気をする男性の心の中においても、妻の存在は簡単になくせるものではありません。
家庭があり、家族がいて、妻との関係も失いたくないと思いながら、フラフラと気持ちが相手女性に行ってしまっているようなケースでは、一時的な気の迷いはあっても、夫婦関係のありかたを見直したり、夫との向き合い方を修正していくことで、最終的には妻のもとに帰ってくるケースもとても多いです。
【補足】
よく『幻滅期が訪れたら、夫は必ず相手女性と別れてくれますか?』といったご質問がありますが、幻滅期が来るだけでは、女性に対する感情がトーンダウンするものの、『関係を終わらせよう』という強い動機には至らないこともあります。
大事なのは、この幻滅期を利用して、相手女性に対する気持ちが冷めている間に、逆に夫婦間における幻滅期を脱出して、これまで以上に深いつながりをもつ機会に変えていくということです。
浮気は欲によって生じます。欲というのは、性欲、肉欲、独占欲などのほか、恋をしたい、癒されたいというのもそうです。そしてこれらは、『未来』よりも『今』を満たしたいという欲求です。
でも、夫婦関係は『理性』によって保たれる部分も大きいです。理性は『なんのために』という行動の根幹を理解して『今』よりも『未来』を見据えて行動することができます。
つまり、浮気は『欲』によって始まり、『理性』によって終わるということです。そして、理性をしっかり取り戻させるために、相手女性との『幻滅期』を利用する、ということなんです。