心が弱っているときに決断してはいけない

人生には、さまざまな決断がともないます。

それは、時に辛い決断だったり、できるなら避けたいことへの決断だったりもします。

たとえば、夫との関係修復に限界を感じ、子どものことや経済的なことなど、いろいろ不安もある中で、離婚という選択をさぜるを得ないとき、その決断はまさに人生を左右するものになると思います。

こうした本来であれば自分が望んでいないこと、やりたくないことに対して決断を下す場合は、もちろん冷静によく考えることが大切なのですが、そもそもこういう時って、絶えず悩み続けて脳が疲れている状態ですし、思考力、判断力も低下していますし、悲しかったり許せなかったりして、感情も不安定になりがちです。

また不安や恐れに駆られて悪い想像ばかり膨らんで、実際の状況以上に悲観的になってしまうこともあります。

そして、脳が疲れているときは、同時に心も弱っているものです。

心が弱っているときは、あなた自身のクオリティ(例えば、自信をもって行動し、問題解決できる能力)も通常時の半分以下~3割程度に下がっている可能性があります。

自分でもどうしたいのかわからず、心が迷路の中をさまよってる状態かもしれません。

そんなときに人生を左右する決断を下すのは、一か八かのギャンブルと変わりません。

このような状態では、自分ではしっかり考えているつもりでも、思わぬ見落としがあったり、判断を誤ることもあります。

そんなときは、決断することをあえて保留にして、休息をとるのも大事なポイントです。

ここでいう『休息』とは単に休憩することとは少し意味が違います。

できれば、普段の日常から離れて、自分だけで過ごす時間を持つこと。可能なら2~3日は仕事も休み、家事からも離れて、夜もホテルに泊まるなどして『自由な時間とじっくり考えることができる環境』を作ることです。

それは、自分と向き合い、本当に大切なものが何なのか、どうすればそれを守れるのか、これからの道を選ぶために、自分の心を確かめる時間でもあります。

ゆっくりとした時間の中で、思考が整理されて、進む道が見えてくると、それだけでも心はずいぶん楽になるはずです。

自分が何をしなければいけないのか、そのためにどんな選択が必要なのかもわかってきます。

そうなって初めて、決断という『スイッチ』を入れることができるのです。

お子さんがいたり、忙しい中で、自分だけの時間をとるのはなかなか難しいかもしれませんが、心が弱っていると感じたときは、決して無理をしないで休息をとってください。

ここで休むことは、あなたにとってまったく損失にはなりません。

むしろ、あなたのクオリティが下がったままに『人生を左右する決断』をするのは、取り返しがつかない事態に及ぶこともあり、そのリスクのほうがはるかに大きいです。

大事なときほど、『急がば回れ』です。