『こんな私でもできるでしょうか?』
ご相談を伺っているなかで、浮気や離婚の話だけでなく、仕事のことや、ご自分がチャレンジしたいと思うことについてお話が及ぶことがあります。
『専業主婦で10年もやっていたから、社会に出るのが不安です』とか『浮気を繰り返す夫と離婚して再婚したいんだけど、でも、ワタシなんかもう誰も相手にしてくれないですよね……』
そんなふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。
不安があることはよくわかりますが、「やってみよう」という気持ちがあるなら、ご自分の力を過小評価したり、実際の大きさ以上に物事をとらえて怖れを抱いてしまうことって、もったいない気がするんですよね。
そういうえば、『サーカスの象』という話、知ってますか?
象って、鼻の力で1トンの重さの荷物を持ち上げることができるそうです。
1トンってすごいですよ。
軽乗用車がだいたい800キロくらいなんで、それに70キロの大人が3人乗ってるくらいの重さです。
だから、象が本気になれば、つながれている杭も鎖も、簡単に引きちぎって逃げることができます。
でも、象は逃げようとはしません。
杭を抜こうと試みることさえしません。
どうしてか?
それは・・・・・・・・・・・・・・・・・
まだ子象のころに、鉄のがっちりとした杭につないでおくからです。
当然、子象は自由になりたくて抵抗します。
そして、杭を倒そうとしたり、引き抜こうとしたりして、なんとかして逃げようして暴れます。
でも、鉄の杭ですから、絶対に逃げることはできません。
子象は毎日毎日、逃げようしますが、杭はびくともしません。
やがて子象は、「この杭は絶対に抜けない」ということを学習します。
そして、「自分はもう逃げられないんだ」と観念してしまいます。
すると、鉄の杭から解放されて、細い木の杭につながれたときにも、子象は「この杭も絶対に抜けない」と思い込んでしまうそうです。
そのまま大人の象になって、その気になれば周りの人間なんか蹴散らして逃げ出すこともできるのに、「無理だ、できない」という思いこみの中で生きていくことになるわけです。
なんだか象が可哀相になってしまいますが、でも、これって私達人間に似ていますね。
チャンスや可能性があるのに、やるまえから「多分ダメだろう」と思ってしまえば、ダメでないことでも、ダメになってしまいます。
その気になったらできること、意外とたくさんあると思うんですよね。
時々、私は考えます。
今、目の前にある杭は本当に抜けない鉄の杭だろうか?
それとも・・・・・・・