浮気する夫の心理:一度の嘘と、たくさんの嘘

夫婦の間に隠し事があって、妻に嘘をついてること自体、問題といえば問題なんですが、浮気をして嘘をつく場合と、浮気じゃないけど、ちょっと妻には言えなくて嘘をつく、という場合では、夫の心情は微妙に違ってきます。

たとえば、高校のクラスメイトだった女性とたまたま再会し、会話が弾んで飲みにいく約束をしたとします。

その女性はべつに元カノだったわけでもないし、彼も決して浮気をするつもりはないのですが、そうはいっても、妻に『今度、高校時代の女の子と二人で飲みに行くよ』とはなかなか言えないものです。

たとえ夫自身にやましいところがなかったとしても、「きっと妻は、それを快く思わないだろう」といった程度のことは察しがつきますし、「そもそも、なんでその人と飲みにいかなきゃいけないの?」と言われてしまうのは目に見えているし、「あやしい」と誤解されるのも嫌だな、とかいろいろ考えます。

でも、やっぱり飲みには行きたいし、女性にも約束をしてしまったので、結局妻には「男友達と飲みに行く」とか「仕事で遅くなる」といった嘘をついて、こっそり彼女と会おうとするわけです。

この時点で、妻に嘘をついていることは事実ですし、それを容認はできないとは思いますが、少なくても本人は「今回だけ」のつもりで嘘をついています。

これが、一度きりの嘘をつく心情です。

ところが、始めはそのつもりだったけれど、飲んだ後に結局ホテルに行ってしまい、その後も彼女と密会することが増えていったとしたら、どうでしょうか。

当然ながら、妻にはそのたびに嘘をつくことになります。

そして、それはもう「一度きりの嘘」をついたときとは動機が違います。

『浮気』という妻には言えない行為があり、それを隠すためにを重ねているからです。

怖いのは、嘘は重ねていけばいくほど、自分がその嘘に縛られていく、ということです。

そして、「今さら本当のことなんて言えない」という心理が強く働きます。

こうなると、妻に疑われて問いただされても、簡単に認めることはできません。

ひとつの嘘を認めたら、その前の嘘も次々と認めるしかなくなるからです。

それは本人にとって、もはや恐怖心すら伴います。

だから、逃げられるかぎりは逃げようとするし、完全に追い込まれて観念するまでは、嘘をついていることを否定しづつけるのです。

しかも、そういう思考状態の中では、妻に対して嘘を重ねることが夫婦関係をどれだけ危うくすることか、妻の心をどれだけ傷つけ、壊してしまうことかをまったく考えられず、気が付いたときには、「こんなつもりじゃなかったのに……」と泣きが入る事態に陥ってしまっているケースも少なくありません。

実際、私のもとにお電話くださる男性の中には、「妻に浮気がバレてしまいました。離婚されそうです。どうしたらいいでしょうか」と後がない状態の方もたくさんいらっしゃいます。

たかが嘘。これくらい、たいしたことないと思って始まる嘘が、どんな結末をもたらしていくか、またその後の夫婦の関係修復にどれほど大きな代償と長い時間が必要になるか。

取り返しがつかなくなってから遅いですからね。

「たかが嘘と思っていても、マッチ1本の火種から山火事になってしまうこともあるのですよ」、お電話いただいた男性の方々には、お話させていただいているわけなんです。 

 

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