よく浮気をした男性が、「俺はお前が〇〇だから浮気したんだ!」と言うことがありますが、そもそも浮気は、理由ありきですることではありませんし、ましてや浮気を正当化できる理由など存在しません。
こういうときに夫が口にする理由の大半は、「後付け」のもので、単なる言い訳にすぎません。
ですが、浮気した夫の心情を理解するうえでは、「浮気につながった心情的な背景」としてそれを知っておくことは意味があります。
ここでは、そのいくつかについて触れてみます。
① 妻に対する不満が潜在的にある場合
これは必ずしも妻に原因や落ち度があるということではありません。
妻が一生懸命に子育てや家事を頑張っていても、夫が抱いている「妻への欲求」が過度に大きいために、一方的に不満を感じてしまうことがあるのです。
たとえば……
・「妻がかまってくれない」
子供が幼いときは、母親としてつきっきりで育児をすることになり、どこの家庭でも夫どころではありません。
ところが、「妻がかまってくれない」と主張する男性は、子育ての最中であっても、パートナーに「母親」よりも「妻」としての姿を強く求める一面があります。
中には、「自分が一番じゃないと嫌だ」とかあからさまに不機嫌になったり、妻がわが子に向ける愛情に嫉妬心を抱くこともあります
そのため、忙しい中で妻が発する「そのくらい自分でやってよ」といった何気ない言葉に傷ついたり、あなたのことが後回しになっていることに強い不満を持ってしまうわけです。
また、男性は本質的に甘えさせてくれたり、愛情を与え続けてくれる女性像を求めます。
妻が「夫どころじゃない」状態のときに、別の女性が愛情を示してきたりすると、(浮気をするつもりはなかったとしても)、いつしかその女性に慰めを得たいと思うようになることもあります。
・「子供の妊娠や出産のあとに、妻に夫婦生活を拒まれた」
出産を機に、女性の身体は変化していきます。
精神的にも、すぐに夫の誘いに応じられないこともありますし、痛みがあったり、疲れが激しくて、「とてもそんな気持ちになれない」といった状況もあるでしょう。
しかし、そうした女性の心情や身体の状態を理解できず、単に「応じてくれない」「拒否られた」など表面上だけを見て、「自分は愛されてない」とか、「必要とされてない」とか「プライトが傷つけられた」といった思いを持つ男性もいます。
結果として、妻に背を向けるようになったり、セックスフレンドなど、外に性的対象を求めることもあります。
② 妻に対してコンプレックスがある場合
これは、妻をライバルのように見ている男性がよく抱く感情です。
たとえば、妻のほうが収入があるとか、同じことをしても妻のほうが評価されるとか、なにかにつけて自分が妻よりも劣っていると感じてしまい、そのコンプレックスから、妻に対して一方的に心を閉ざしたり、対立的な感情を抱いてしまうんです。
でも、そういう男性ほど、人から認められたい欲求は人一倍強いですから、褒めてくれたり、認めてくれる女性がいると、その女性を心の逃げ場所にして、浮気につながってしまうことがあるのです。
また、妻に対して弱みがあって悩みを打ち明けることができない、嫁姑の問題で負い目がある、地方などでは家柄などに差があり肩身が狭いなどの場合も、精神的に対等な夫婦関係が持てないために、妻と一緒にいても気が休まらず、他の女性に癒しを求めてしまうこともあります。
③ ストレスの逃げ場所がほしい場合
仕事で大きな責任を背負っていたり、お金(借金)や人間関係で悩みがあるなど、ストレスが溜まった状態のときに、その発散の対象として、女性との関係を求めてしまうケースです。
こういう時は、基本的に心が弱っていますから、愚痴や弱音を吐きだしたい、聞いてほしい、でも妻には言えないとか、逆に何も知らない女性(スナックのホステスなど)に自分を大きく見せて、その女性に認められたり、褒められることで自分を保とうとする傾向もあります。
タイプとしては、本来は正直で不器用なタイプの男性が多く、外面(そとずら)がよくて無理をしがちだったり、どちらかというとおとなしくて不満を言えずに溜め込むことがあるようです。
④ とにかくイケイケの場合
サラリーマンなら仕事が認められて昇格したり、経営者であれば、会社の業績が右肩上がりで勢いがあるなど、イケイケ状態のときは気が大きくなりますし、お金も入ってくるし、やりたいことはなんでもできる気になっていたりします。
「周りを見ても、浮気くらいみんなやっているし、このくらいいいだろう」という感覚になっていることがあります。
また、羽振りのいい様子に、まわりの女性のほうが寄ってくることもあり、「ノリでホテルに行ってしまった」ということも……
⑤ 自分から求めたわけではないが、気が付くと相手女性に恋をしてしまった
・職場の同僚、部下とのつながり、趣味などのサークル仲間との間で不倫関係に発展。
これは、たとえば職場に新入社員や派遣の女性が入ってきて、その女性を教育担当になったり、おなじ部署で接する機会が増えたりするなかで、相手女性の世話をしたり、相談に乗っているうちに、気が付いたら好きになっていた、というケース。
自分を頼りにしてくれている、自分のことを必要としてくれている、という感情が、逆に相手女性側に対する恋愛感情に発展してしまうことがあります。
・昔の彼女と再会して
フェイスブックなどを通して、昔の彼女や同級生と再び連絡を取り合ったことがきっかけで、不倫に発展するケースもあります。
⑥ ただただ刺激を求めて
出会い系サイトなどを利用して、別の女性との関係を求めたり、複数の女性とセックスフレンドになる。
自分が結婚していても、合コンなどに独身を装って参加して、仲良くなった女性にも嘘をついて不倫関係に及ぶ男性もいます。
こうした浮気を夫の心情を、必ずしも妻が理解しなければいけないということはありません。
夫が何を思って浮気をしようが、浮気は浮気です。
でも、こうした夫の心情を知ることによって、これからのご夫婦のあり方を見直すきっかけにもできますし、今まで見えなかったポイントに気づくこともつながるかもしれません。
たとえば、もしご主人があなたとの関係に不満をもっていて、それが誤解やすれ違い、コミュニケーション不足によるものなら、それは改善していくほうがよいですし、そこに気づくかどうかによって、これから夫婦としての向き合い方、ありかたの方向性がまるで違ってくるのです。
これは、電話でご相談を伺うときにも、とても大事なポイントです。
これによって、ご主人の心理や浮気に至った背景が浮き彫りになり、対処方法も明確になり、短期間で一気に解決に向かって動き出すケースも非常に多いです。
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