弁護士に依頼しようとするときに、はじめから知り合いが弁護士をやっているとか、人から紹介してもらえることって、あんまりないと思います。
たいていは、インターネットや電話帳などで探すか、市の法律相談などを利用するかたが多いです。
『弁護士ドットコム』などの地域の弁護士を検索できるサイトもありますね。
弁護士にもそれぞれ得意分野がありますし、経験や考え方によって、事案に対する解釈の仕方も異なってきます。
ひとつの事案に対して相談した場合でも、A弁護士とB弁護士では、まったく正反対の見解を示された、というケースも少なくありません。
また、弁護士と依頼者(あなた)との相性(マッチング)というのも、実は意外と大事なポイントです。
どうしても『弁護士先生』という目線で見てしまうため、依頼したあとの進め方などで、自分の考えと弁護士の示す方向性が違うと感じたときに、言いたいことがあっても言えなかったり、『言われたとおりにしていればうまくいくはず』といった先入観を持ってしまうことがよくあります。
でも、実際に相手と示談交渉になるような場合、また裁判に至るような場合でも、主役は弁護士ではなく、『あなた』ですから、もしも納得がいかなければ別の弁護士にも話を聞いてみるなどして、『答えはひとつとは限らない』というスタンスも持っておくことが大切です。
法律についてはもちろん弁護士の判断にある程度はゆだねざるを得ないと思いますが、わからないと思ったことは臆せずに質問しましょう。
質問はあくまで実際的に「どの部分がわからないのか」「何を、どうしたらいいか」といった感じで、ピンポイントの回答を具体的に求めるようにしてください。
自分があいまいなままですと、余計な不安やストレスを抱え込むことになり、弁護士の説明を聞いても、結局自分が本当に知りたいことはよくわからないままに終わってしまう、というようなことにもなりかねません。
例えば「夫が浮気していて、相手女性に慰謝料請求をしたいです。証拠はこれだけあります。相手が応じないなら、法的に訴えたいです』とできるだけ具体的に、はっきりとした意思を示して依頼することが大事です。
そうすれば、弁護士はあなたに代わって、そのための手順を進めてくれるでしょう。
また弁護士はカウンセラーではありません。
よく弁護士事務所に行って『夫が浮気してて、どうしていいかわからないです』とか『悩んでて辛いです』といった話をたら、結構冷たい感じで『では、どうしたいか決まったらまた来てください』と言われてしまったという話もよく聞きます。
決して弁護士も意地悪で言っているわけではないですが、悩みを相談されても、弁護士としては対応のしようがありません。
以上の点について、ココロに留めておくようにしましょう。