ご相談を伺っていると、夫が浮気したのは、今まで自分が妻として至らなかったことがいけないのだと感じて、毎日、夫の好きな料理をつくり、いつも笑顔を絶やさず、決して口答えもしないで、夫が帰って来るまでは何時になっても寝ないで起きてて、家事も今まで以上にきっちり頑張るような、そんな献身的な妻に変身してしまう方も少なくありません。
夫と仲良くすること、居心地の良い家庭を作ろうと努力すること自体を否定するつもりは毛頭ないのですが、妻であるあなたが無理をしてこしらえた環境の中では、決して居心地の良い家庭というものは作れません。
むしろ、あなた自身がくたびれ果ててしまい、ストレスの塊となってしまう危険があります。
それでなくても、人間は『気』を感じあうものですから、あなたが無理をして夫に優しくしたり、なんでも言うことを聞いてくれる『尽くす妻』に変身してしまうと、夫の心理として、重たい、見ているのが痛いという気持ちになったり、一緒にいるとかえって息がつまってしまい、家に帰らなくなってしまうこともあります。
夫婦というのは、対等であるべきです。どちらかが無理をしたり、どちらか一方だけが相手にあわせているだけでは、二人の関係は歪んだものになってしまい、お互いに苦しくなったり、居心地が悪くなったりします。
夫にもっと愛されるためにと無理をして自分を偽ったら、あなたは自分自身に負荷をかけすぎてしまい、自己嫌悪に陥ったり、自分の本当の価値を見失ってしまうかもしれません。
それよりも、あなた自身の人間性を失わずに、むしろ妻として、凛とした態度で夫に対するほうが、家族の幸せを守る強さが伝わって、男として妻を見直すこともあります。