心の苦しみから抜け出すために

『夫の浮気がどうしても許せなくて、怒りが収まりません。いつまでこの苦しみが続くのでしょうか?』

こうした声は、日々たいへん多く寄せられます。

よく『時間がたてば、この気持ちは落ち着きますか?』というご質問もいただきますが、『時薬(ときぐすり)』といって、つらい気持ちも時間がたてば治まってくる、薬のように効いてくるということも確かにあると思います。

ただ、夫の浮気、不倫によって傷ついた心が回復していくためには、単に時間が経過するだけでなく、それとあわせて『心のリハビリ』の道のりをしっかりと進む必要があります。

それを段階的に示したのが『障害受容』と呼ばれるものです。

具体的に言うと、ショック→否認→負の感情(悲しみや怒り)→適応→再起の5段階になります。

順を追ってご説明しますね。

① ショック

夫の浮気、不倫を知った時、その事実を平然と受け入れることができる人など、ほとんどいないでしょう。頭の中は真っ白になり、思考が停止してしまうと思います。これが第一の段階です。

② 否認

ショックを受けたあと、思考が少しだけ動き出したとき、次に訪れるのは『否認』です。

「信じられない」とか「こんなこと、あるはずない」と現実を受け入れられなかったり、「どうして私がこんな目に合わないといけないの?」と理不尽さに苦しみ、事実を認めたくない感情に襲われます。

③ 負の感情

夫の浮気によって『結婚生活を否定された』『妻として女性として傷つけられた』など頭の中に込み上げてくる怒りや悲しみ、許せない気持ちが込み上げます。

中には、夫に対して暴力や罵詈雑言などを繰り返し、執拗に責め続けてしまう方もいます。

フラッシュバックが一番激しく表れるのがこの段階です。

そして、ここからいかに抜け出すかが、苦しみを和らげていくうえでとても重要です。

④ 適応

感情が落ち着いてくると、適応すなわち『現実を認識する』段階に入ります。

夫が浮気したことは事実だし、それをなかったことにはできない。

逆に、どんなことがあったのか詳しく知りたい、確かめたいという欲求が生まれてきます。

心の傷はまだ癒えていませんが、何があったのかを冷静に受け止めることはできるようになります。

この段階になると、自分自身に対する反省や教訓として生かそうとする思考も働いてきます。

⑤ 再起

現実を認識できたら、これからどうしていくか、夫婦としてもう一度やっていくのか、それとも離婚を考えるのか、方向性を具体的に求め始めます。

つまり、過去よりも未来にむけて、思いを見出して再起に向けて動いてく段階です。

これらのプロセスは必ずしも順番に進むわけではなく、心の状況によって行きつ戻りつしますし、いくつかの段階が複合的に重なったりします。

ですのであくまで目安にはなりますが、こうした段階というか、流れがあることを知っておくことで、自分がいまどういう状態なのかがわかり、これか

らの方向も見えてきますので、ひとつの地図として活用できると思います。