浮気相手の住民票や戸籍謄本は取得可能か?

夫が女性と不倫をしているという確かな証拠は撮れたものの、相手がどこの誰かわからず、会って話をすることも、慰謝料を請求することもできない、というケースがあります。

そんなときに、何かひとつでもわかっていることがあれば、それを手がかりに相手を特定することができる場合があります。

たとえば、名前、住所、自宅電話番号、携帯電話番号、車のナンバーなど。

このうちの名前と住所については、市役所に情報開示を求めることで、判明する場合があります。

電話番号については、その人が利用している電話会社に情報開示を求めることで、判明する場合があります。

車のナンバーについては、陸運局に情報開示を求めることで、判明する場合があります。

ただし、これをあなたが個人的に知りたいから教えくれ、といっても、当然ですが教えてはくれません。

これは、下記の法律に基づいて、該当する者だけが行うことができます。

■住民基本台帳法第12条の3

市町村長は、当該市町村が備える住民基本台帳について、次に掲げる者から、住民票の写しで基礎証明事項のみが表示されたもの又は住民票記載事項証明書で基礎証明事項に関するものが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。

1.自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者

■戸籍法第10条の2

次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。

この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。

1.自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行する為に戸籍の記載事項を確認する必要がある場合

権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由

なにやら難しく書いてますが、つまり、浮気相手がご主人と肉体関係に及んでいる証拠があり、弁護士に慰謝料請求の訴訟代行を委任した場合には、担当の弁護士さんは、必要書類をそろえるため、という理由において、あなたにかわって浮気相手の住民票や戸籍謄本を取ることができる、ということです。

当然、依頼者であるあなたは、相手の名前や住所等について確認することができます。

これは厳密には、その弁護士さんが個人的に取るのではなく、所属する弁護士会の審査を受けて、承認された場合に、情報開示を求めることができる、ということです。

また、弁護士側が情報開示をしても、かならずしもすべての要請先が応じてくれるとは限りません。

たとえば、携帯番号を知るためにソフトバンクに情報開示を求めても、ソフトバンクはそれに応じない方針を示しています。

市役所等の行政機関であれば、基本的に弁護士からの情報開示請求を拒否することはないと思いますが、応じること自体、法で定めた義務ではないため、先方が拒否することもあるようです。

 

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