ある男性から以下のようなお話を伺いました。
『妻には、浮気をして悪かったし反省しているということを言い続けています。でも、妻の態度は頑なで、なかなか私の言葉を受け入れてもらえません。
そんな中で、藁をもすがる気持ちでいろいろ調べて、たどりついたのが牧口さんのサイトです。
そこで浮気する側の心理とか、された側の辛さというのが、身につまされるようなことがたくさん書かれていて、この人に相談したら、自分の足りていないところが学べるのではないかと思って、相談しました』
この方は、二度と過ちは繰り返さないという固い決意をもって、奥様とやり直そうとされています。
ただ、今までは、ひたすらご自分の目線で、これからはこんなふうに頑張るとか、こういう償いをしたいとか、そういう話ばかりされていたそうです。
私は、この男性に足りていないのは、反省や償いの気持ちではなく、奥様の思いに触れて、気持ちを重ねていくことだと感じたので、次のようにお伝えしました。
『今までの結婚生活のなかで、奥さまが抱いていた想いのひとつひとつを思い返してみてください。
毎日の食事をつくり、掃除や洗濯をして、ご主人のことが大好きで、ご主人との生活を大切に思い、積み重ねてきた幸せな日々。
それがご主人の不倫という行為で、ある日突然壊れてしまった。
それが奥様にとってどれほどのことなのか。
反省や謝罪の言葉の前に、そのことに気づいてほしい。
傷ついて悲しくて、苦しくて許せない気持ちをわかってほしい。
きっと奥様は、ご主人の言葉の中に、それを確かめたかったんだと思います。
反省や謝罪の言葉は、その思いが伴ってこそ、奥様の心に届くのではないかと思います』
先ほどの男性は、心底から反省と後悔の念を持っておられますが、中には、『謝ったんだからもういいだろ?』という感じの男性もいます。
そういう姿勢は、辛い気持ちを置き去りにされているように感じて、とても受け入れることはできないでしょう。
ある女性は、ご自身のお気持ちを次のようにおっしゃいました。
『思い出しては苦しくなり、悲しみや怒りが波のように押し寄せてきます。
私だって早く忘れたいと思うし、夫のことを信じたいと思っています。
でも、心が不安定で自分でもコントロールできない。ふとしたきっかけで荒れ狂ってしまうんです。
夫は悪かったと言ってくれますが、今も苦しいばかりの日々か続いています。
夫にとっては過去の話でも、私にとっては何も終わってなんかいない。
少しも楽になんてなれていない。
信じてたのに。大好きだったのに。
どうしてこんなことになってしまったんでしょう……』
とても悲しい言葉です。でも、あなたの奥様も同様の思いをお持ちかもしれません。