妻に嘘は通用するか

男性の方からお話を伺っていると、妻に嘘をついた挙句、自らの言葉に生じた矛盾を追及されて、結果的に墓穴を掘ってしまっているケースは枚挙にいとまがありません。

こう言ってしまっては申し訳ないのですが、しょうもない嘘で妻をごまかせると思っている方が多すぎます。

それで私が『今からでも遅くありませんから、奥様に本当のことをおっしゃってはいかがですか?』と申し上げると、「いえ。一度ついた嘘だから、僕はずっと、この嘘をつき続けます」とか「ただでさえ傷ついている妻に、本当のことをいえば、もっと傷つけることになってしまうので、僕は妻を守るために、この嘘をつき続けます」という方がいます。

一度ついた嘘は墓場まで持っていくという考えは、ある意味、信念を貫いているように見えなくもないですが、問題なのは、この方々が「自分のウソがまだ妻に通用している」という前提で話をしていることです。

でも多くの場合、夫が嘘をついていることくらい、妻はとっくに見抜いています。

嘘をついているのがわかっていて、嘘だと認めない人を、あなたは信用できるでしょうか?

ちなみに、男性は嘘をつくとき、『どういう嘘ならバレないか』とか『どういえば妻をごまかせるだろうか』とウソの内容について考えます。

でも、妻は夫が嘘をついているときの表情や態度、ちょっとした様子の変化に鋭く気が付きますから、『顔を見ればわかる』のです。

だから、はじめから勝負はついています。

なので、あんまり奥さんを甘く見ないほうがよいと思います。

男性が思う以上に、女性は『嘘をつかれること』に失望感や嫌悪感を抱きます。

嘘によって信用を失った場合、その信用を取り戻すためには、より大きな代償が必要になります。

開けてしまった穴をふさぐには、前よりも大きなフタが必要だし、その穴が広がれば、より大きなフタが必要になるのと同じです。

修復をしている途中においては(もちろんそれ以降も)、嘘は百害あって一利なしと心得ておきましょう。