夫婦が再生するとき

結婚18年目。A子さんからのご相談。

『3か月前に夫の浮気が発覚しました。夫は悪かったと謝ってくれて、今はふたりの関係修復の最中なのですが、最近、ふとしたことで言い合いになることが増えて、夫から『元に戻るつもりはあるのか?』とか変わったのはお前のほうだ』とか言われます』

夫からこのような発言がある場合は、浮気が発覚する前の夫婦関係まで話を掘り下げていく必要があります。

私はA子さんに、次のようにお尋ねしました。

『浮気が発覚する前の夫婦関係としては、おふたりは対等に言い合える立場にありましたでしょうか?』

『主人は身勝手というか、頑固なところがあるので、意見が対立するときはだいたい私が合わせるか、折り合いをつけるようにしてきました。なので、決して対等ではなく、主人の立場が上だったと思います、、、、』

『なるほど、浮気が発覚する前の18年間は、A子さんがご主人に合わせることで夫婦関係が成立していた。でも、浮気が発覚してからは、A子さんがご主人に反省を求め、修復のための約束や条件が示されて、ご主人が応じなくてはいけない状況となったわけですね。おそらく、それが原因としてあると思います』

『主人は私の立場が上になったのが気に入らないということでしょうか?』

『いえ、むしろどう対応していいのかわからない、というのが本音だと思います。ご主人は口論になると『元に戻るつもりはあるのか?』と仰っていますね。これは、浮気が発覚する以前の夫婦関係を指していると思います。

つまりご主人は以前のふたりの関係に戻りたいんですよ。もとのままの自分と、もとのままのA子さんです。

でも、A子さんはおそらく、今回の件を通して、心が強くなられたんだと思います。

ちゃんと言うべきことは言うようにして、なんでも夫に従うのはやめようと思われたでしょう?』

『それ、すごく思いました!これからは、今まで通りじゃだめだと』

『だからご主人からみたら、変わったのはA子さんのほうなんですよ。まだそれがご主人は受け入れられない。だから話し合いがうまくいかないんです。

おそらくご主人は、夫婦関係を修復するということが、『自分が変わる』ことと結びついていないのだと思います。まずは、そこに気づいていただく必要があります』

A子さんは、『主人にわかってもらいたいけれど、夫婦間ではどうしても言い合いになってしまう、、、、』と憂慮されて、『牧口さんから主人に話していただくことはできませんか?』とのご依頼をいただきました。

私からお話させていただく場合は、あくまでもご主人の意志としてご希望くださることが必要であるため、そのご理解をいただいたうえで、ご主人に電話コンサルティングを行わせていただきしました。

お伝えさせていただいた内容としては『夫婦関係の修復とは、単に浮気する前の状態に戻る、ということではなく、浮気という辛い経験を踏まえて、これから夫婦としてどうやって再出発していくか、どのようにして新たな夫婦関係をつくっていくかということがベースになること。

そのためには、変わる勇気を持つことと、変化を受け入れること。再生するという意識が互いに必要だということ、ほかにも修復していくうえでの意識の持ち方などをお話させていただきました。

ご主人は、最初は少し抵抗を示されていましたが、最後には、『確かに仰る通りです。昔の妻に戻ってほしくてイライラしていた気がします。でも、夫婦でやっていきたいなら、私も変わらないといけませんね』と言っていただけました。

その後のA子さんからのご報告では、ご主人は少しずつですがA子さんの話に耳を傾けてくれるようになり、会話が増えた分、ご主人もまた、以前よりも気持ちが楽になったと言っておられるそうです。

おふたりはそれから3年ほど経過しており、紆余曲折ありましたが、今は仲良く暮らしておられます。