彼女を放っておけない!という夫

ある男性からの告白です。(プライバシー保護の為、一部内容を脚色したうえで、ご本人承諾のもとにご紹介します)

会社経営をしているSさん。とある接待飲食店で、ひとりの外国人女性と知り合いました。

その女性はまだ日本に来て数か月で、会話もカタコト程度しかできません。

日本語を勉強しながら、その店でアルバイトをしているそうです。

Sさんは、日本で懸命に働きながら、祖国の両親に仕送りもしている彼女にとても感心されました。

そして、その女性の苦労話、身の上話などを聞いているうちに、かわいそう、不憫だ、力になりたい、助けたいといった感情が沸き起こり、お金を渡したり、生活を助けたり、遊びに連れていくようになりました。

独身の男性ならば、とくに問題にする話ではありませんが、Sさんには奥さまと二人のお子さんがいます。

当然、その女性のことは奥さまには隠して、仕事だと嘘をついて会う関係になりました。

ちなみにSさんは57歳、相手女性は28歳です。

ある日、Sさんは奥さまから不倫を問いただされました。

クレジットカードでの不審な買い物記録や、彼女とホテルに入った証拠も取られていたことから、Sさんは観念して事実を認めました。

奥さまは、Sさんが素直に事実を認めたので、女性と別れてくれるものと思ったようです。

でも、Sさんの口から出た言葉は、それとは真逆のものでした。

「彼女にはオレしかいない。オマエとは離婚して彼女と結婚する。彼女を放っておけないんだ!」

奥さまが唖然としていると、さらにSさんは、「彼女はひとりで日本にきて、すごくお金に苦労して、夜の店で働きながら借金を返しているんだ。かわいそうじゃないか。オレが何とかしてやらないといけないんだよ!」

Sさんは当時のことを振り返り、「彼女を放っておけないという感情が高まるあまり、自分こそが彼女のナイトだと思い込んでいました。まったく、アホな話です」

電話でお話を伺っていても、Sさんはとても温厚で、やさしい方であることが伝わってきます。

きっと、彼女に対する同情心は、本当に心からのものだったのだと思います。

ただ、冷静に考えなければいけないのは、彼女にとって、Sさんはあくまでもお客の一人にすぎず、それ以上の相手ではないということです。

私は現役のホステスの方からもご相談をいただいたことがあります。

その方は、「私たちは、どういう態度が男性から好感を持たれ、どうすればお客様が喜ぶかを心得ています。男性に好かれなければ、私たちは仕事になりませんから。正直、お客さまから口説かれたり、結婚しようと言われることも、わりとよくあることです。ただ、その分クールに、そうしたお客さまを見ていることも確かです」と仰っていました。

Sさんは彼女に「自分と結婚したらお金に不自由はさせない」とか「日本でずっと楽な生活ができる」といったことも伝えていました。

確かに、彼女はお金に苦労しているかもしれません。でも、お金を武器にしてその女性に好意を寄せても、結局は向こうもお金目当てに近づいてくるだけです。

Sさんは若いころから奥様とふたりで、苦労に苦労を重ねて会社を大きくしてこられました。

Sさんのそばには、いつも懸命に支えてくれる奥さまの姿があったはずです。

いうまでもなく、人生をかけて寄り添い続けてくれた奥さまこそ、Sさんにとってかけがえのない女性にほかなりません。

私はよく、「3つの柱」についてお話させていただくことがあります。

詳細は別ページにて書いていますので、そちらをご覧いただきたいのですが、Sさんの場合は、まさしくこれを見失ってしまったことで、大切なものを壊しかけてしまったのです。

3つの柱についての記述はこちら→ 浮気を克服し、夫婦の愛を取り戻す鍵