タイトルどおりのご質問を実際にいただくことがありますが、これも一概にお返事することが難しい問題です。
『夫婦として愛はないけど、生活のこともあるし、子供もいるから、いちおう表面上は仲の良い夫婦を演じています』という方、結構いらっしゃいます。
夫婦なのに愛がない、というのはとても悲しいことですが、これまでの結婚生活の中で、そうなってしまった背景というのもあると思いますし、それでも子供のことでは夫婦として思いが一致しているので離婚はしたくない、ということもあると思います。
ただ、いくら態度に出さなくても、本当にお父さん、お母さんが仲良しなのかどうかは、お子さんは一発で見抜くはずです。
いくら演技をしても、家の中の空気が違ってしまうので、その違和感は隠せません。
それはたとえ1歳の子どもでも肌で感じてしまうんです。
すると、子どものほうが親の顔色をうかがうようになったり、気を使いはじめたり、幼い子の中には、「パパとママが仲良しでないのは、ボクが悪い子だから?」と自分が原因だと考えだす子もいます。
あるいは親自身が仮面夫婦であり続けることがストレスとなり、そのはけ口を子どもに求めてしまう(些細なことできつく叱る、怒鳴る、無視するなど)こともあるようです。
一方で、いろいろあって離婚という結果に至ったけれども、子どもとのコミュニケーションはむしろ以前より増えて、今まで以上に仲良しになれた親子のケースもたくさんあります。 (ただしこれは、どちらが親権を取るかという問題も絡んできますけれど)
子どものために仮面夫婦でも一緒にいるのがいいのか、離婚してあらたな人生のなかで子どもと接するのがいいのか、それは一概に言えることではないし、「こうするのが正しい」という答えが初めからあるわけでもありません。
ただ、愛のない夫婦のもとでその狭間に立たされるお子さんも、相当しんどい思いをしてしまうと思うんですよね。
ですから、『子どものために我慢する』とか『子どもがいるから離婚できない』という理由をつけて、子どもに荷を背負わせるのではなく、基本的な考え方としては、『自分たちが幸せと思える状態が、同時に子どもにとっても幸せであり、そうなるためにこれから親として、夫婦として、どうあるべきなのか』ということだと思います。
その選択のなかで、仮面夫婦から元の夫婦関係へ修復を努力される方もいるし、離婚を選択される方もいます。
『どちらが正しいか』ではなく、どちらがあなた方の望む未来につながっているかを考えることが大切だと思います。
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