思考を整理する、ブレインダンプ・メソッド

悩みや不安を感じたときは、まず思考を整理することが大切です。

いたずらに想像の中で不安に怯えるのではなく、自分がどういうことに問題を感じていて、これからどうしていけばよいか、「考える方向性」を定めることが先決です。

そのためにとても良い方法があります。

一般的には、「ブレインダンプ・メソッド」と言われているものです。

これは、頭の中であれこれと考えるのではなく、いったん紙の上に『頭の中にある悩みや問題点』をすべて書き出して、紙の上で考えて、重要なことに優先順位をつけて整理していく、という方法です。

これによって、あなたが今、具体的に何について悩んでいるのか、どんなことが不安なのか、一番緊急性があるものがはっきりしてくるので、何から手をつけていけばよいか、その方法としてどんなものがあるか……といったことがひとつひとつ整理されていくのです。

では、ブレインダンプ・メソッドの方法について、簡単に書いておきますね。

まずA4のコピー用紙と、ボールペンを1本、赤いサインペンを1本用意してください。

はじめに、思考を紙に書きだすための初めの質問を自分に投げかけます。

たとえば……

『自分にとって、いちばん頭の痛い問題はなんだろう?』

『一番不安を感じていることはどんなことだろう?』

『自分が一番、『こうありたい』と思う状態はどんな状態だろう?』

など、自分自身に問いかけていきます。

そして、思いつくことはなんでもいいですので、どんどん箇条書きにして書き出していきます。

考えているときに「あ、そういえば明日はごみの日だな」とか、「今日はあのドラマの放送日だな』など、脈略なく頭に思い浮かぶことがあったら、あわせてそれも書き出します。

要は、いまあなたの頭の中にある悩みや不安はもちろん、これからやる予定ややりたいことなど、思いつくことをできるだけたくさん、ありったけ書き出すのです。

そして、あなたの脳がとにかくもう考えることはすべて吐き出して、もう何も思いつかないと思えるまで、頭に浮かぶ限りのことを書き出してください。

できるだけ、ここを徹底的にやってください。

私は深夜とかに2時間くらいかけて、頭の中が空っぽになるくらいやります。

本当に頭の中のものを絞り出す感じになるので、クタクタになります。

でも、全部吐き出したあとは、ものすごくスッキリして、爽快感がありますよ。

さて、すべて書き出せたら、ひとまずそれをよく眺めて、「これが私の頭の中にあったことなのね」と自分で確認してください。

あなたの悩みや不安や迷いは、すべてその中に書き出されているはずです。

ここで少し休憩して、15分くらい頭を休めます。

次に、書き出した紙の中から、あなたが一番重要だとか、緊急だと思うことをサインペンでマーキングして、同時に、今は必要ないと思うこと、後回しでいいと思うことは、どんどん線を引いて消していってください。

ここで不要な情報は削除され、重要と思うものだけが残ることになります。

次に、マーキングで残ったものの中から、特に緊急性、優先度の高いものから順に、優先順位の番号をつけていきます。

こうして、漠然と悩んでいるものの中から、今あなたが考えなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことを明確にしていくわけです。

こうすることで、「悩み」は「問題」に変わります。

悩みは悩みのままでは解決できません。

でも、悩みを「問題」に変換すれば、解決する方法は必ずあります

ブレインダンプによって、これから自分は何のために、どうしていけばいいのかといった具体的なプランが見えてくるので、悪い想像に駆られて不安になったり、感情に振り回されることはなくっていきます。

この方法は、さまざまな場面で利用できます。ぜひやってみてくださいね。

※なお、ブレインダンプのやり方は人それぞれです。ここでは私のやり方をご紹介させていただきました。