男と女の思考を形作るもの

よく「夫は全然私の気持ちをわかってくれません」とか「夫が何を考えているのか全く理解できません」というお話を伺うことがあります。

確かに、男性と女性の間では、物事に対する考え方に違いがあり、抱く感情についてもそれぞれの傾向があることは確かです。

この違いを単に『性別が違うから』ということだけで説明しようとすると、なんとも不可解な話になってしまいます。

そこで、ここでは男性と女性の思考の違いについて、『脳の仕組み』を絡めてお話してみたいと思います。

ほとんどの方はご存じだと思いますが、人間の脳は一つの塊ではなくて、大きくわけて右脳と左脳の二つの塊から成り立っています。わかりやすくいえば、お尻みたいな形ですね。

右脳と左脳は脳梁(のうりょう)というバイパスによって、真ん中でつながれています。

そして、この右脳と左脳は、人類の進化の過程の中で、まったく別のものを重視するように進化してきました。

太古の昔から、女性は狩りに出た男の帰りを家で待ち、子育てをしながら周囲の人とコミュニティを作っていた歴史があります。

そのため女性は男性よりもコミュニケーション能力が高く、愛情を示したり、人に優しくすることで人間関係を円滑に保つことを重視するようになりました。

また左脳が発達していることで、直観的に物事を見抜いたり、嘘に気づいたり、違和感を感じるアンテナが鋭くなりました。俗にいう『女のカン』というのはまさにそれです。

一方男性は、狩りに出て獲物を捕まえることから右脳が発達してきました。

右脳が発達すると、イメージ映像を記憶したり、立体的な空間処理をしたりする能力が優れてきます。

たとえば映像を編集したり、車やバイクの運転が得意な人に男性が多いのはそのためです。

また右脳が発達していると、論理的な考え方をすることが多くなり、理屈っぽくなる傾向もあります。

もちろん男性でも左脳が発達している人もいますし、女性でも右脳がより活発な人もいますので、一概に言えるものではありませんが、こうした脳の特性の違いは、どんなに相思相愛の男女の間にも、歴然と存在します。

そして、それぞれの脳が持つ特性は、男が男として、女が女としてこの世に存在し、適応していくために必要不可欠なものといえるのですが、それが時として、男女の関係において、大きな壁となってしまうこともあります。

たとえば、男性は『何のためにそれを行うか』という明確な目的があれば、そのための行動は的確にできますが、コミュニケーション能力はさほど磨かれずに進化してきたため、女性の気持ちを理解することがとても苦手で、女性が求めていることに対して自分がどうしたらいいのかわからない、理屈で考えないと答えが出せないという一面があります。

そのため、女性から「どうしてわかってくれないの?」と求められても、男性は「どうしてわからないのかがわからない」という状態に陥ってしまい、話をしていても、まるで水と油のようにハジキあってしまうことがあるのです。

もちろん、だからといって、『男は女がわからないし、女は男がわからないものだ』という話で終わってしまっては、互いの関係は溝が深まるばかりです。

ですから、『男と女の考え方や感じ方にはこんな違いがある』という壁はあるけれど、だからこそ、その壁を越えてわかりあいたいと思う気持ちが大事ですし、誤解やぶつかりあうこともあるでしょうが、その都度わかりあう努力を惜しまないことで、二人の溝は必ず埋めていけるのだと、理解しておくことも大切なことだと思います。