あの電話がまた始まったのです。
時間帯も回数も尋常じゃありません。
24時間、一日中何度となく電話が鳴り響きます。
「今すぐ離婚しろ」
「その家を出て行け」
「子供と一緒に死んでしまえ」
……どうしてだろう…?
どうして夫は、私よりも、こんなことが言える女の方を愛せるのだろう…
悲しくて悔しくて、情けなくて、とうとう耐えきれなくなった私は、泣いて夫にすがり付きました。
戻ってきて欲しい。愛人と別れて、またもとの暮らしを取り戻して欲しい。
わたしは夢中でした。必死でした。本音をすべてぶつけることに。
でも。
夫が帰した言葉は、耳を疑うものでした。
「うるせえ!このガキを連れてとっとと出て行け!!」
夫はさらに、私をものすごい顔でにらみつけて、家を出て行きました。
わたしはその場に崩れ落ち、涙がぽろぽろこぼれました。
悔しさと、情けなさと、腹立たしさと、そして、そして夫の理不尽さ…。
どうして…!?
どうしてこうなってしまったんでしょう。
もう、わたしの頭の中になにもはっきり見えません。考えることも出来ません。
私はこれから、どうなっていくんでしょうか…