『どうして浮気なんかしたの?』と涙ながら問う妻に、『こんなことになるなんて思ってなかった』と答える夫。
もう、何をか言わんやですが、当人にとっては、案外それが本心だったりします。
そもそも、男性の思考というのは、女性からみるとなんとも短絡的な一面があります。
特に行動に対する危険予知というか、「こうなることくらい、はじめからわかってたでしょ?」ということが、男性は全然わからない。
このことを、ちょっとした『例え話』で説明しますね。
ある部屋の壁に、手が入るくらいの穴が開いてます。
その穴をのぞき込むと、奥にはたくさんのお金が見えています。
女性の場合、穴の中には罠が仕掛けてあるかもしれないし、毒虫や毒蛇が隠れているかもしれないし、盗るところを誰かが見ているかもしれない、といったように、あらかじめ「リスク」を考えることができます。
ですから、『道具を使って安全に取ろう』とか、『危険だからやめておこう』と、リスクを回避する思考がちゃんと働くんです。
ところが男性は、そういう考え方をするのがとても苦手です。
穴が開いていて、そこにお金が見えたら、『まぁたぶん、大丈夫だろう♪』と、とりあえず手を入れてみる。
リスクなどさほど考えもせず、それを取ろうと試みる。
すると実は、壁の裏側にはギロチンの台が仕込んであって、手を入れた瞬間に上からドーンと刃が落ちてきて、腕の半分が切り落とされてしまう。
男性は、まさかギロチンの刃が落ちてくるなんで考えてもいません。
あわてて穴から腕を抜いて、自分の腕が半分なくなっている様を見て、はじめて自分のしたこと、すなわち『現実』を理解するわけです。
浮気も一緒です。
『こんなことになるってわかっていたら、こんなことしなかったのに』とまるで不可抗力だったかのように言います。
『こんなことになるって、わかっていたでしょ?』とあきれる妻に、返す言葉もありません。
そんな有様ですから、「どうして浮気なんかしたの?」という問いに対して、まともな理由などあるはずがないのです。
浮気は『欲』に駆られている状態ですから、理性も働いておらず、この先に生じる結末について、本人がまったく認識できていないことです。
実は、それが一番怖い。
逆に言えば、そうした点をしっかり本人が認識できると、浮気が『割の合わない』ことだと理解するので、欲に駆られて暴走している状態にブレーキをかけることができます。