不倫夫が離婚を切り出してきた時

イラスト私のもとにご相談をお寄せくださる方の中には、「ある日突然、離婚を切り出されてしまった」という方がいらっしゃいます。

そういう方の場合、それまでの夫婦関係において、冷たい態度をとられたり、一緒にいることを避けられたり、目を合わせてくれないなど、夫の愛情のない態度が兆候として見られている場合もあります。

また、不倫の証拠を見つけて夫を問い正したとたん、『そんなに俺を疑うのか?もうオマエとはやっていけない!』と逆ギレされ、一方的に離婚宣言されてしまうことも少なくありません。

夫婦の同意が大前提なので、夫が妻の意思を無視して離婚を強行することはできませんし、そもそも有責配偶者(不貞行為をした配偶者)からの離婚要求は、基本的に無効であると、民法にも定められています。

具体的には下記のいずれにある場合には、離婚要求は棄却される可能性が高いです。

有責配偶者からの離婚要求が棄却される可能性が高いもの
イラスト
① 夫とあなたが同居している状態

② 別居しているとしても、10年に満たない場合

③ 別居していても、夫が時々家に戻ってくる場合

④ 子供が独立していなくて、親の保護下にある場合

⑤ 子供が親の独立を望んでいない場合

⑥ 夫にとりたてて財産もしくは所得がない場合。

⑦ 財産分与が正当に支払われる見込みのない場合

⑧ 別居中の婚姻費用分担義務が果たされてない場合

つまり、別居中もあなたの生活費を負担する義務があります。

それを払っていない場合は、婚姻費用分担義務違反になります。

ただし、この負担金は全額というわけではありません。

あなたも自分でも生計を立てる努力は必要です。

また、いわゆる家出とか自分から出て行った場合はダメです。

⑨ 夫婦関係の破綻が一方的に夫にある場合。

そして、不倫(不貞行為)が理由で離婚になる場合は、慰謝料(50~300万円が相場です)も高額になっていきますし、もしも肉体関係がなかった、あるいはその証拠が見つからなかったとしても、不倫されたことによってあなたが受けた苦しみや、精神的苦痛に対する慰謝料の請求はもちろんできます。

また、子どもがいる家庭の場合、少なくても18歳になるまでは、父親は、取り決められた養育費を支払い続ける義務があります。

(注・養育費を途中で払わなくなる夫も少なくないので、慰謝料の徴収を強制執行できる手続きをしておきましょう。

強制執行を実施可能にするには、公正証書を公証人役場に持参して、公証人から「執行文」を付与してもらいます。

そして、この執行文のついた公正証書を債務者の所在地の地方裁判所に持参し、執行手続を申し立てるという手順になります。)

養育費は、あなたの口座に払われますが、あなたに対して払うものではなく、あくまで子供に対して支払われるものです。誤解のないようにしましょう。

それから、財産分与についてですが、夫婦になってから得られた財産はすべて共有です。

たとえ夫名義の車であろうと、夫名義の貯金であろうと、夫婦になってから得られたものなら、あなたにも対等の権利があります。
イラスト
まぁ、車を半分ずつにはできませんので、換金して分けることになりますが。

もちろん、家もそうです。家具、家電、貴重品、株券もそうです。

つまり、ご主人は不倫をしたことの償いとして、今までに得てきた財産の半分を放棄する必要が出てきます。

それから、会社での出世や役職就任など、社会的な立場においても、自らの不倫によって離婚に至ったということは、マイナスに働くことが多いです。

逆にいえば、すぐに『離婚だ!』などという夫のほとんどは、それらのことを認識できていません。

ですので、それをちゃんと話してあげたらよいのです。

もしも可能なら、具体的な金額も教えてあげれたらなお良いです。

その現実に、みるみる青ざめていくでしょうね。

正直、不倫するよりも、離婚するほうがよっぽど大変です。

不倫相手のことがタイプだとか好きになってしまったとか、そういう理由ではとても割が合いません。

『離婚するくらいなら、不倫をやめるほうがマシ』と、ご主人もすぐに気付くはずです。

また、不倫を問い詰めるときには、感情的に責めるばかりでなく、そうした知識もある程度は持っているほうがよいです。

そうすると、『離婚する』とご主人がキレたとしても、「あら、有責配偶者のあなたにはその権利はないのよ」と切り返せます。

「これはオレの家だ。お前は出て行け!」といわれても、「この家は夫婦の共有財産だし、私を追い出せば、 あなたは私の生活費を負担する義務があるのよ」と言い返せます。

ご主人は、あなたを脅かすつもりで言った言葉に、不倫をした自分の立場を思い知ることになります。

ですから、あなたはご主人の脅かしや強引な主張に屈することなく、ご自分のために、これからご主人とどうしていきたいのかを冷静に考えて行動してくださいね。

問い合わせ