浮気をした夫の告白

私のもとには、浮気をしている夫自身からお電話をいただくこともあります。

ある男性は、会社の同僚と不倫関係にあり、それは悪いことだとは思っているが、妻や子供から愛されていない、孤独感をひどく感じる、たぶん、家族は誰も自分のことを必要としていない気がする、とおっしゃっていました。

なぜ妻からの愛情を感じていないと感じるのか、と問うと、「妻は子どもばかり大事にして、私には優しい言葉のひとつもありません。家族と一緒にいても、なんとなく疎外感を感じる。妻には気にかけてもらっていない」といった不満を挙げていらっしゃいました。

私は、「ご主人は、夕食はご家族と一緒に召し上がりますか?」と質問してみました。

すると、「仕事で帰りが遅いときが多いので、夕食は家でひとりで食べています。家族はみんな私が帰る前に食事を済ませてしまい、これといった団らんもありません」と答えられました。

「でも、一緒に食べられないとしても、お食事は基本的に奥様が作ってくださるんですよね?」

「そうです」

「料理って、愛情表現の最たるものだと思うんですよ。男性はつい、テーブルにつくと食事は自動的に並べられるものと思ってしまいがちですが、食事というのは、機械的に作るものではないんです。

食べるほうはあたりまえに毎日食べているわけですけど、作っているほうは、日々のメニューを考えて買い物に行き、栄養が偏らないように食材を選び、また毎日の献立が重ならないように考えながら、手間暇かけて調理をして、食卓に並べているわけで、それらはすべて、愛情ですよ。

たとえ味噌汁一杯であっても、あなたに対する愛情がこもっているものだと思うんですよね」

「でも、私だって一生懸命仕事をしてるんですから、食事を作るのは妻として当然なのではないですか?」

「たとえばあなたがお仕事をしていて、お得意先から「こっちは客だ」みたいな態度を取られたら、いくらお客様相手でもよい気持ちはしないでしょう?

奥様だって、もしも食卓に並んでいるのが『あたり前』と思われてしまったら、それはやっぱり寂しいものですし、目の前にある「愛情」が見えなくなってしまえば、あなた自身も妻から愛されていないという「孤独感」を感じる結果になってしまいますよ」

「・・・・・なるほど。確かに、それはあるかもしれません」

「もう一度、よく目を開いて、身の回りを見てみてください。奥様の愛情、あなたの身の周りに、たくさんあるんじゃないでしょうか。

たとえば、 あなたが着ているシャツだって、奥様が洗濯してくれているんですよね?

あなたが毎日履いている靴下だって、穴が開けば新しいのを買っておいてくれるでしょう?

それって、全部愛情だと思うんです。

優しい言葉やスキンシップだけが愛情ではありません。

その愛情を認めてあげることができたら、愛されてない、なんて思わなくなりますよ」

ここまでお話をさせていただいて、その男性も、はっと気が付いたことがあったご様子でした。

そして、後日、その男性からは以下のようなメールをいただきました。

『牧口さん、先日は率直なアドバイスをありがとうございました。相手の女性とは別れました。
あのあと、私は妻が私や子どもたちのために、どれだけ多くのことをしてくれているかに気づき、本当に私は妻の何を見ていたのかと済まない気持ちになりました。
幼い子供がいるのに、もう少しで私は大切なものを何もかも失うところでした。本当にありがとうございました。』

この方に限らずですが、当たり前に思ってたり、普段はまったく意識の向いていない部分にも、ふと思いを向けてみると、妻の愛情って、いたるところにあるということなんですね。

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