定年退職後は、まず生活のリズムが変わります。
朝早くに起きて、電車に間に合うように家を出て、職場でもやるべきことがたくさんあって、、、、
そんな日常から、ゆっくりと自分の自由に時間が使える、何をしてもいい日常に変わる。
一見、すごく幸せな環境のように感じます。
でも、そんな幸せなはずの日々の中で、「定年うつ」になってしまう方もいます。
定年うつというのは通称で、正式な名称ではないのですが、シニア世代の「うつ」の呼び方のひとつです。
具体的な症状としては、やる気が起きず、一日中ぼーっとしている。
倦怠感がある。食欲不振や不眠、外に出て人に会ったりするのが億劫になる。
さらには、めまいや頭痛など身体的な不調が出る場合もあります。
ひところよく言われた「燃え尽き症候群」というのも、定年うつのひとつとされます。
本人は大したことはない。ただちょっと気分が沈みがちなだけ、と思ったりしますが、うつは自覚がないまま進行することがあるので、軽視せず、定年後のリスクのひとつとして、しっかり認識することが大事です。
予防としては、趣味を始めるとか、スポーツをするといったことがよく言われますが、もうひとつ効果的と思われることは「人に感謝される活動をする」ということです。
感謝されることは、愛情ホルモン「オキシトシン」の分泌にもつながり、本人にとっても満足度が高く、やりがいにつながります。
たとえばボランティア活動に積極的に参加するというのでもよいと思います
全国の都道府県・指定都市社会福祉協議会ではボランティアセンターを通して、地域の市民活動に関する情報提供を行っています。
また、Eさんという66歳の男性は、朝の散歩がてらに歩道のごみを集めて歩くことにしました。
はじめは恥ずかしいという抵抗感もありましたが、続けていく中で、たくさんの人にあいさつされたり、「ありがとうございます」と言われるようになり、とても楽しい日課になったそうです。