妻に浮気を問いただされたとき、素直に認める夫はとても少ないです。
まずは嘘や言い逃れで、なんとかして誤魔化そうとしますし、窮地に追い込まれたら開き直りや逆ギレに転じて、ありえないような言い訳で反撃してくることもあります。
そのなかの代表的な言い訳の一つに、「俺は家に帰っても居場所がなかったんだ(怒)」というものがあります。
同じタイプとして、「家族から必要とされてない」とか「俺なんかいなくてもいいんだろ」といった孤独に対する不満を主張してきたりすることもあります。
実際、ご相談をいただく男性からは、「浮気をしたことは確かに自分に非があるが、自分はいったい、何のために働いているのか。自分の存在は家族にとってなんなのか、ただお金を稼いでくるだけの存在なのかとずっと悩んでいた」と切実な思いを訴えてこられる方もいらっしゃいます。
もちろん、子育てや仕事と家事の両立を頑張っている奥様からしたら、そんなのは単なる甘えや泣き言にすぎず、同情するよりも呆れてしまうような言い訳だと思いますが・・・・・・
ただ、当の夫自身が本当にそう思っていて、家では誰も自分に気持ちを向けてくれず、感謝もねぎらいもなく、「毎日がむなしい」と感じる日々を送っていたとしたら、そんな中で、優しい言葉や癒しを与えてくれる女性と出会えたら、その女性に夢中になってしまうことも、想像に難くありません。
そして、相手女性に、自分の家庭にはない『安らぎ』をもとめていく結果となります。
つまり、逆を言えば、本来安らぎを得るための家庭の現状が、知らず知らずのうちに夫の浮気の温床になっている場合もあるのです。
いうまでもなく、浮気はどんなことがあっても正当化されるものではありません。
でも、「悪いことだからやめなさい」というだけでは、夫の心はなかなか戻ってはこないでしょう。
夫の浮気は辛いことだし、家庭の幸せを脅かす大事件だけれども、そこからいろいろな気づきがあって、夫婦のありかたを見直すきっかけになることもたくさんあります。
あるご相談者様は「夫の浮気がきっかけで、本当にたくさん、いろいろなことを話し合うようになりました。そして、今までは表面上のことばかりで、互いの気持ちをわかりあおうとしていなかったことに気づくことができました」と仰っていました。
浮気というのは、そこに至った過程や心の動き、そのときの状況、タイミング、心理的なストレスや疲労など、さまざまな要素が複雑に絡み合い、男と女の感情がもつれあっていくものです。
決して、妻や家庭に不満があったから浮気をする、というものではないですし、たとえ結婚して20年経っていて、子どもが3人いて、生活にも何不自由なくて、端から見て幸せそのものという夫婦でも、夫が絶対に浮気をしないという保証はありません。
だからこそ、日々の気持ちの通い合いが大事。
毎日仕事に行く夫、毎日家事や子育てをする妻、それをお互いにあたりまえと思うのではなく、一緒にいてくれることが幸せだと実感し、感謝して、お互いの存在を心の中心において、いつかくる永遠の別れの日まで、1日1日に想いをこめて生きていけるかどうかが、カギになると思うのです。