夫のモラハラに離婚を決心

夫のモラハラ発言に苦しんでおられるS子さん。

結婚して3年目。30代前半の方で、お子さんはいらっしゃいません。

S子さんは、日ごろから些細な過ちでも執拗に夫に責められて、『クズ、もう死んでしまえ』とか『手首を切ればすぐに死ねるぞ』などと言われるそうです。

伺っていて、ちょっと常軌を逸しているというか、耳を疑うような内容でした。

S子さんは、夫の言葉をまともに受け止めてしまって、実際に刃物を手首に当てたこともあったそうです。

そして、それを『怖い』とすら感じなかったというのです。

お電話をくださったときにも、『私はもう生きている価値はないんですよね。主人はもう、私なんて必要ないんですよね』と仰って、生きる意味すら見失っている様子でした。

S子さんのメンタルは、すでにボロボロに崩壊していて、正常な思考力も保ててないようでしたし、このままでは、本当に取り返しのつかないことになるかもしれないと感じました。

私はS子さんに、ご主人のモラハラ度はとても看過できるレベルではないこと。ご主人は自分のイライラ、ストレスをぶつけているだけなので、その言葉を真に受けてご自身を否定したり、自己嫌悪にならないようにすることお伝えし、さらにご主人以外の人と会話やコミュニケーションを多くとって、心のバランスをとることなどをアドバイスさせていただきました。

そのうえで、ご主人のモラハラが改善される見込みない現状から、離婚も視野に入れることをお伝えしました。

その後、S子さんはご実家に帰られて、今は弁護士を入れて離婚の準備を進められています。

妻に対して、『死ね』とか『生きている価値がない』などという夫の事例はこれに限らず、他の方からも同様のご相談を伺っています。

死ねとまでは言わなくても、些細なことでも激高して、『土下座して謝罪しろ!』と怒鳴る夫もいます。

すこしでも気に入らないことがあれば、場所もいとわず、路上ですらキレだす夫もいます。

正直なところ、そんな男性と一緒に暮らすことが幸せだとはとても思えないのですが、それでも、わずかな希望を胸に、なんとかやっていきたい思いを持ち続ける方もいます。

『私がもっと頑張って受け止めていけば、夫は変わってくれますか?』

ある女性から、そう質問されたことがあります。

でも、夫自身がモラハラであることを認識して、「変わらないといけない」と気づかない限り、妻だけの努力や我慢によって改善されるものではないのです。

たとえ夫の言葉にすべて従い、怒りを買わないように振舞ったとしても、夫の言動に怯えながら、どこに地雷が埋まっているかわからない、いつ爆発するかわからないという中で生活していくことは、妻のメンタルに重大な影響が出る恐れがあります。

関連記事 カサンドラ症候群に陥る妻

夫のモラハラに心当たりがある方は、その言葉や態度にご自分を見失わないように、客観的かつ冷静に『こういう夫にどう対処していくか』を考えていく必要があることを理解してください。