カサンドラ症候群に陥る妻

夫の言動により、いわゆる『カサンドラ症候群』で苦しんでいる方が少なくありません。

カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群の対象者と一緒にいることで、意思疎通ができず、コミュニケーションが取れない。わかってもらえない。正論が通用しない。理不尽な叱責や威圧的な言動などにより、自信を無くしてしまったり、否定的な考えに囚われたり、本来すべき思考ができなくなってしまうというものです。

※これは夫婦に限りません。職場や友人関係などにおいても、同様に事が起こりえます。

カサンドラ症候群による精神的な影響としては、抑うつの原因になったり、無気力な状態から抜け出せない、不安からくる自己評価の低下、過呼吸やパニック障害につながることもあります。

また肉体的なものとしては、偏頭痛、自律神経失調症によるめまいや食欲不振、体重の減少など。胃潰瘍の原因となることもあります。

カサンドラ症候群になった方が、心療内科で薬を処方されて飲み続けていることがありますが、根本の原因が解決できない限り、あくまで対処療法となってしまうことは理解する必要があります。

夫の理不尽な言動に追い詰められ、きちんとできない自分が悪いのだ、自分の考え方が間違っているのだと自分を否定しつづけ、自分の中に、『ダメな理由』を探し続けてしまう、、、、

でも、ほとんどの方は、ご本人に原因があるのではなく、パートナーの言動によって影響を受けているだけなので、ご自分を責めたり、否定することはかえって症状を悪化させてしまうことになります。

もしもあなたのご主人がアスペルガーであるなら、あなた自身がその言葉に振り回されないように、『自分を保つ意識』を持つことが大切です。

そのうえで、ご自分のメンタルに限界を感じるようであれば、夫との関係に一定の距離を置いた生活をする、ということも考えてみることもよいと思います。

以前にご相談いただいた方の中には、夫自身がアスペルガーであることを認識していて、お互いのために週末婚(週末のみ、一緒に生活する)によって距離を置いた生活をされていた方もいらっしゃいました。

このように互いの距離を置くことで、精神的に休めたり、冷静に今後のことを考えたり、状況を見つめ直したりすることができる場合もあります。