夫が浮気していることはほとんど間違いないと思えるときでも、いざ話を切り出す段階になると、なかなか怖くてできない、という方がいらっしゃいます。
自分が切り出さずにいれば、『疑い』のままでいられるけど、夫の口から『事実』を聞かされたら、その現実を受け止めるしかなくなるため、それが怖かったり、『今までの日常が壊れてしまうことに、私自身が耐えられない気がします』とおっしゃる方もいます。
また、切り出したあとに『夫の態度が豹変したり、夫婦仲が悪くなったりして、かえって後悔するかも、、、』とか、『逆ギレされたり、夫が怒って家を出て行ってしまうかも、、、』と心配される方もいます。
話を切り出すということは、夫婦として浮気という問題に向き合う、ということです。
それは実は、夫にとっても怖いことです。自分の浮気を、妻の口から告げられたら、平常心でいられる男性はそうはいません。(「浮気をして何が悪いの?」という男性も中にはいますので、あくまで一般的な男性の場合です)
話を切り出すということは、そのための第一歩を踏み出すということですので、そもそもご主人と言い争いをしたり、追い詰めるためではありません。
以前にご相談いただいた方で、私のところにお電話をくださる前にあるカウンセラーに相談したら、「切り出すときは、夫がキレようと何だろうと、とにかく一歩も引かずに、話し続けなさい」みたいな指導(らしきもの)を受けて、その通りに実践したら、最悪の結果になってしまった、という方がいらっしゃいました。
夫の逆ギレに屈せず、強気で話を進める方法が通用する場合も中にはありますが、どちらかというとそれは特殊なケースで、多くの場合はそういうやり方は夫が敵対視してくる危険が高まります。一歩間違えれば話し合いどころではなくなり、夫が家を出て行ってしまったり、開き直って夫婦関係がかえって悪化してしまうこともあるため、私はオススメできません。
基本的には、夫婦の話し合いの場を持つことが目的ですから、一方的に重機で草木をなぎ倒していくようなやり方は避けて、言い方や話をするタイミング、夫の性格や予想される反応を予測して、対応のしかたをよく検討しておくことが必要です。
さて、話を切り出す際には、あらかじめ相手女性や浮気をしている状況に対して、できるだけ把握しておく、ということも大事なポイントです。
相手女性のことを妻に気づかれているということは、浮気している男性にとって、とても怖いことなんです。
「どこまで知っているんだろう?」とか「いつからバレていたんだろう?」と、どんどん不安になっていきますからね。
たとえば、ご相談者様のA子さんは、浮気相手の女性が夫の職場の部下であることや、夫がフェイスブックでやりとりしていたところから、女性の名前や彼女のフェイスブックページについても確認していました。
そして、切り出すときには、相手女性のフェイスブックの中に、夫と二人で旅行に行った時の写真が貼られていることなどを根拠に、淡々とひとつひとつの事実を指摘していったそうです。
このことが功を奏し、最初は否定していたご主人も、最後は観念して浮気を認め、謝罪してきたそうです。
もしもA子さんが、「あなた、浮気してるんじゃないの?」と問い詰めるだけで、相手を特定できないままに話をしていたら、ご主人が認めてくれたかどうかは甚だ疑問です。
もしかしたら、あくまで「浮気なんかしていない!」と言い張っていたかもしれません。
なお、スマホをこっそり見たり、GPSを仕掛けたり、探偵を使ったことなど、夫には言いたくない、もしくは言うと不利になりそうなことは、わざわざいう必要はありません。
そういう場合には、調べたこと自体は伏せて、調査をしてわかった状況だけを利用して話をする、というのでもよいのです。
たとえば、メールの内容から相手女性と会っていた日時や場所がわかったなら、夫に切り出したときに、『友達と買い物に出かけたときに、あなたが女の人と歩いているところを見た』とか『あなたが彼女と行ったレストランは、私の友達が働いているのよ』といった内容で話を作って観念させるというのも、じつは案外と成功率が高いです。