ご相談いただく中で、『以前の夫は決してこんな人ではなかったのですが、すっかり変わってしまいました。夫はもう、元には戻らないのでしょうか?』といったお話もよく伺います。
また、『浮気をしてからの夫は顔つきまで変わってしまいました。今では相手女性のいいなりで、ほとんど家にも帰ってこなくなりました』とおっしゃる方もいます。
浮気によって、なぜこれほどまでに変わってしまうのでしょうか。
ひとつの要因としては、相手女性と日常的に会ったり、電話やメールのやりとりが頻繁に続いていくと、彼女の存在がどんどん大きくなって、理性よりも欲望に駆られた日々のなかで「思考力を失ってしまう」ようになるためです。
そのため本来であれば、当然備えているはずの倫理観とか責任感、義務感が麻痺し、彼女との約束が最優先となり、他の予定や約束を平気でドタキャンしたり、周囲の人間ともコミュニケーションがとれなくなり、思い通りにならないことにすぐイライラするなど、日常生活においても別の人間性が出てくることもあります。
そんな状態になると、次第に職場でも家庭でも孤立していき、結果として「自分を理解してくれるのは彼女だけ」とか「干渉されたくない。自由になりたい」といった短絡的な考えに囚われて、ますます本来の夫とはかけ離れ身勝手な行動をとるようになってしまいます。
夫の思考をどう取り戻すか
相手女性と密接な関係が続いている以上、夫の思考は相手女性に支配されたままになることが多いです。
なので、基本的には相手女性との接触を絶たせることが必要なのですが、力ずくで別れさせようとすると、夫は妻を『敵対者』と認識してしまうので、余計に家に帰ってこなくなったり、拒絶の態度を示してくる可能性もあります。
むしろ、まずは彼自身に思考力を少しずつでも取り戻してもらうために、たとえばお子さんが寂しがっているから少しは遊んでやってほしいとか、ご主人でなければできない用事をお願いするなどして、できるだけご家族と一緒の時間を持つように仕向けていくほうがよい結果が得られるようです。
実際、相手女性の家に行ったきり、ずっと帰ってこなかったご主人に「子どもが寂しがって泣いている。パパに会いたがっている」というメールを根気強く送っていたら、久しぶりに家に戻ってきて、大喜びする子供の顔を見て、徐々に家族と過ごす時間が増えていった、という事例もあります。
また、浮気について話をする場合には、夫を追及するような内容は避けて、まず事実を知っていること、このままでは家族の幸せが壊れてしまうし、子どもを悲しませることになるし、ご主人に対する周りの目もあるし、結果的にはご主人自身も大切なものをなくしてしまうということを、あくまでも感情ベースではなく、理屈ベースで話をすることです。
男性は理屈としてスジの通ったことを言われると、そのときは逆ギレしても、あとから客観的に考え直して、妻のいうことに納得していくこともよくあります。
ご主人が自分の思うことと、あなたが言われたことが一致していけば、彼はあなたの言葉を認めていくようになりますので、少しずつ状況が好転していく可能性があります。
まだまだできることはあるはずです。勇気を持って、向き合っていきましょう。