夫の浮気が発覚し、感情的になってしまい、「もう夫とは一緒にいられない。とにかくいますぐ別れたい、子供さえ引き取れれば慰謝料も財産分与もいらない。養育費さえ欲しいとは思わない。離婚できればそれだけでいい。」という女性がいらっしゃいます。
裏切られたという感情の高ぶりが、先行きの見通しを甘くさせてしまっているようですが、何の準備もないままに、いますぐ離婚というのは現実的ではありません。
離婚に踏み切るためには、準備期間が数ヶ月~1年、資本金100万円以上が目安です。
「何言ってんの?そんなに待てないし、そんなお金も準備できないわよ!」
なるほど。わかります。でも、思い出してください。あなたが結婚したときのことを。
あなたが結婚するときに、『いますぐ結婚したい。結婚してからの生活なんてどうでもいい。とにかく一緒になれれば、あとはお金も住む部屋も何もいらない』と思って結婚しましたか?
たとえどんなに結婚したいと思ったって、その決断をしてから、式の日取りやら新居の準備やら、いくつもの準備を整えてから、結婚生活に入ったでしょう?
ましてや、離婚は結婚よりもはるかに大きなエネルギーが必要です。
離婚を決意してから、夫婦での話しあいののちに、財産分与や慰謝料の請求、養育費などのお金の問題が解決し、自分の新居を決めたり、専業主婦だった人は仕事を始めたりして、引っ越し代、アパート代、当面の生活費などを準備して自分の生活をスタートさせるまでに、数ヶ月以上を要するということも珍しくありません。
逆に、冒頭の「いますぐ離婚できれば、慰謝料もなにもいらない、子供さえ引き取れれば、それでいい」といって離婚に踏み切った人の、いったい何割がお金や住居の不安もなく、安心した生活を送っていられることでしょう。
むしろ多くの方は、準備のない離婚を選択したために、かえってつらい離婚後の生活に耐えているのが現実なのです。
準備を金を無視した離婚は、悲惨な生活しか生み出しません。
有利に離婚したいと思ったら、勢いや成行き任せで話を進めるのではなく、これからあなたが直面するであろう問題に対して、ある程度は法律や対応策を考えておく必要もあります。
「そんなこと言ったって。法律なんて難しくてわからないわ」
大丈夫です。あなたは司法試験を受けるわけではありませんから、何も難しい言葉や意味を理解する必要はありませんし、それを丸暗記する必要もありません。
それよりも、こういうときにはこういう法律があって、こうすれば損しないですむ、といった実践的な知識のほうがよほど大事です。
たとえば、相手女性や夫から慰謝料を請求するにはどうすればいいのか?
子供の親権や姓の問題はどうするか?
夫が預金を隠しているかもしれない。財産分与で損しないためにはどうするか?
子供の養育費を支払ってくれない事態になったらどうすればいいのか・・・などなど、ちょっと想像しただけでも、知っておきたいと思うことはいくつも見つかるでしょう。
もちろん、すべてを完全に網羅するのは不可能です。それができたら、離婚弁護士になれます。
でも、ほんのちょっとしたことでも、あなた自身があらかじめ知っているのと知らないのとでは、これからの生活や未来に大きな差が生じてくるのです。
あとになって、「ああ、このことを知っておいて本当に良かった」と思えるときが、必ずあるはずです。
私のサイトでも、お役に立てそうな情報はお伝えしてきますので、ゆっくりでかまいませんので、あきらめずに学んでいきましょう。