産後クライシスについて

産後クライシスって、最近よく耳にしますね。

これは、妻が出産したあとに、夫婦仲が悪くなったり、離婚に至ったりする現象のことをいいます。

本来であれば、わが子が生まれ、夫婦はより一層ひとつになり、家族としての絆が強まっていくはずなのですが、出産によって夫婦仲が悪くなるというのは、いったいどういうことなのでしょうか。

これには、夫側、妻側の双方の心情が影響しています。

まず、出産というのは、女性にとってまさに命がけともいえることですが、それだけに出産は女性の身体のみならず、精神面でも大きな影響を及ぼします。

特に、はじめての赤ちゃんのときは、何もかも初めてのことばかりで不安も大きく、メンタル的にも大変ナイーブな状態です。

そんな中で、日常の生活の中に子育てという重要な仕事が加わるため、昼も夜も自分の精神や身体を労わっているひまはありません。

ところが、そんな女性の精神面や身体のことを男性は理解しにくいところがあります。

妻をいたわるどころか、赤ちゃんの世話に明け暮れる妻の様子に、自分のことを放っておかれているような状態に不満を感じて、中にはそれを理由に浮気に走る男性もいます。

そんな身勝手で無神経な夫に、妻のほうは、育児や夫との関係でストレスが溜まってしまい、結果として、あんなに大好きだった夫のことを、嫌いになってしまう気持ちの変化が起こったりするのです。

基本的に、産後クライシスの原因は、夫婦が互いの心情について理解しておらず、互いに相手に対してストレスをためていくことが大きな要因です。

これを回避するためには、まず夫側が出産後の妻の身体と心の変化を理解して、少しでも妻の心情に寄り添うことを学ぶべきです。

これは単に、夫として妻を思いやるというだけでなく、これから父親と言う存在となるうえで、考え方や自らのありようを考え、自覚を持っていくための訓練でもあります。

そのうえで夫婦のコミュニケーションを維持し、愛情と思いやりの中で、それぞれに思うこと、言いたいことを伝えあう勇気もまた大事なことだといえるでしょう。

 

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