夫婦の間ではずっとセックスレスなのに、相手女性とは毎週のようにセックスしていることが判明して、『もう私にはまったく愛情はなくなってしまったのですか?』と、私に相談してこられる方がいらっしゃいます。
これは妻として、悔しくて悲しい気持ちがするのは当然のことですが、それでもあえて言いますと、浮気相手とのドキドキに満ちたセックスは、非日常の興奮によってドーパミンが出まくっている状態ですので、妻とのセックスよりも刺激的なのは致し方ありません。
無節操な話ですが、オスというのは、新しいメスを見ると興奮し、性的欲求を抱いてしまうようにできているみたいです。
これは哺乳動物に見られる動物的反応で、行動神経内分泌学者のフランク・A・ビーチが1955年の著書で述べたのが最初だといわれています。
これは要約すると、以下のようなものです。
大きな箱の中に、一匹のオスのラットを入れて、そこに4、5匹の発情したメスをいれます。
するとオスはすぐに、すべてのメスと性行為を繰り返します。
それこそ疲れ果てて、メスたちが小突いたり舐めたりしても、「もう無理~」というくらいクタクタになってるところに、新しいメスを入れると、オスは我に返って、再び性行為を始めようとするのです。(ちなみにハムスターはメスにもこの反応が見られたそうです)
これを『クーリッジ効果』と呼びますが、その由来は以下のようなところからです。
アメリカの第30代大統領のカルビン・クーリッジが妻とともに、ある養鶏場に視察にいきました。
そのとき、農夫が夫人に『ここのオンドリたちは一日に何十回もオスと交わります』と言いました。
夫人は農夫に、『それを夫に言ってやってよ』と言いました。
つまり、『夫は、私とは全然セックスしたがらないのよ』と言いたかったんでしょうね。
一方、大統領は、その話を聞かされて、『それは毎日おなじメスとかい?』と尋ねました。
すると農夫は、『ああ違います、大統領、毎日別のメスとです』と答えました。
大統領は、『それを家内に言ってやってくれ』と答えたそうです。
要するに、人であれ他の動物であれ、オスは同じメスとのセックスにはやがて興味を示さなくなりますが、新しいメスとは動物的本能により、スイッチが入ったように励もうとするのです。
すなわち浮気相手とのセックスは、相手に対する愛情からというよりも、スリリングで危うい状況に興奮して我を忘れている状態に近いので、セックスがあったからといって、『妻のことを愛してない』ということではないのです。
ただ、ラットと違って人間の男性には理性がありますから、中には奔放極まりない人もいるとしても、普通は動物的本能のままに女性とみればセックスしたがる、ということはありません。
もちろん、理屈がどうであれ、あなたにとって許せない行為であることは、当然ですね。
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