浮気の慰謝料請求する場合、公正証書でなくても強制執行できる?

浮気相手(または夫)に慰謝料請求を求めた場合、相手が素直に払ってくれればよいのですが、中にはなかなか支払いに応じてこないケースも少なくありません。

そのため、慰謝料請求を求めた時点で、その誓約内容を公正証書として作成しておいて、強制執行認諾つきにしておくと、いざ相手が支払いをしてこない場合には、給料や預貯金を差し押さえるなどの強制執行ができます。

強制執行認諾つきというのは、公正証書の文面に、「支払いが履行されなかった際には強制執行します」とい旨が書いてあるということです。

これによって裁判所への申し立てをせずに強制執行を行うことが可能になります。

では、公正証書ではなく、普通の誓約書などで強制執行の約束を交わしていた場合はどうなるのでしょうか?

残念ですが、もしも公正証書でない誓約書などを裁判所に提出して、強制執行の申し立てをしても、受理はされません。

強制執行を行うためには、民事執行法22条の中に示されている「債務名義」というものが必要なのですが、そのなかに、以下のような記述があります。

「公証人が作成した公正証書で、債権者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」

つまり、普通の誓約書では債務名義として認められない、ということなんです。

もしも公正証書でない誓約書しかない場合は、いきなり強制執行はできませんので、まずは「慰謝料の支払い請求訴訟」などを起こして、その誓約書を証拠として、「この人は約束通りに慰謝料を支払ってくれないので、裁判所の命令で支払いをさせてください」という申し立てをして、その判決を得ることで「債務名義」を取得したあと、強制執行を申し立てることなります。

ちなみに、「債務名義」とは、民事執行法22条により、以下のものをいいます。

参考条文:民事執行法22条

強制執行は、次に掲げるもの(以下「債務名義」という。)により行う。

一.確定判決

二.仮執行の宣言を付した判決

三.抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る。)

四.仮執行の宣言を付した支払督促

四の二.訴訟費用もしくは和解の費用の負担の額を定める裁判所書記官の処分または第四十二条第四項に規定する執行費用および返還すべき金銭の額を定める裁判所書記官の処分(後者の処分にあつては、確定したものに限る。)

五.金銭の一定の額の支払またはその他の代替物もしくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの(以下「執行証書」という。)

六.確定した執行判決のある外国裁判所の判決

六の二.確定した執行決定のある仲裁判断

七.確定判決と同一の効力を有するもの(第三号に掲げる裁判を除く。)

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