不倫の相談:浮気の罠に落ちるとき⑤

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それは、Aさんに電話をかけさせるためです。

つまり、メールで、「妻子のあるあなたが好きだ。だからあなたに迷惑をかけないために、会社をやめて、私は去る」と、一方的に送られれば、男性は「せっかく好意を持ってくれた女性なら、もっと親しくなりたい」と恋愛的な欲望を持つようになります。

と同時に「自分のために仕事をやめることはない」というひきとめる気持ちが働いて、多くの男性は、そのメールから緊急性を感じて、自分から直接電話をかけてしまうのです。

つまり、好きだといって去ろうとする女性と、ひきとめようと電話をする男性の図式がここにできあがります。

この時点で、二人の心理的な力関係は女性側の方が強くなってしまいます。

いつの間にか、男性は女性を追う側にまわってしまっているわけです。

そして、男性がかけた電話で、いきなり女性が泣き出したりしようものなら、場合によっては、「いまどこにいるの。今から行くよ」ぐらいの勢いで、男性が女性を追いかけ、とんでもなく急速に二人の関係は接近していくことになるのです。

・・・・・・うそみたいですか?

でも、これと同じようなことが、あなたのご主人の身に起こっているかもしれないのです。

これは、妻の浮気の場合でも同様にいえます。

例えば同じ職場で働いている男性、いつも行く店の店員、クラブ等でともに活動する男性が、夫も子供もいると解っている女性を好きになってしまった場合。

当初は男性が猛烈にアタックをかけていたとしても、女性の場合は、自分には夫や子供がいるのだから、道ならぬ恋をしてはいけない、と自分を制しようとする傾向が強いので、一気に転がり落ちにくい。

ただ、その一方で、好きといってくれる男性に内心ときめいている部分もあり、たまにデートをする程度の関係であっても、「求められている幸せ」を感じているケースが多いようです。

こういう場合、もしも男性が、「考えたんだけど、やっぱりこういうのはよくないから、今日を限りに別れよう。

君は夫との幸せを求めたほうがいいよ」などと言い出そうものなら、女性のほうはますます「あなたと別れるなんてできない」と、男性とのつながりを求めようとしてしまうケースが多いのです。

つまり、今まで女性を追っていた男性が、「こういうことは君のためによくないから」という理由をもって、自分からあえて引き離そうとすることで、女性の方は思いがけない相手の反応の変化に動揺し、なおさら浮気への加速度を高めていってしまうのです。

このように、本人に意思とは別のところで、ある意味相手に制御されてしまって、気がついたら浮気の関係ができあがっていた、というケースも、決して少なくないのです。

いわゆるプチ浮気、というものには、これが大多数を占めます。

逆に言えば、夫にせよ妻にせよ、この部分を自分自身が自覚し、頭を冷やして冷静に考えれば、自分が相手のペースで「浮気に走らされている」ことに気づくはずです。

もちろん、だからといって、浮気は浮気ですけれども。

ただ、自分で過ちに気づくことで、みずから関係を清算して、あなたのもとに戻ってくることが多いです。

そしてこれは最終的には、再び二度と浮気を繰り返さないための、非常に大切な安全弁になります。

普通の方なら、一度だまされた、と気づいて反省すれば、さすがに次からはだまされないようにしますからね。

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