不倫の手記:浮気の罠に落ちるとき②

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でも、C社にたびたび足を向けてセールスを続けているうちに新型のコピー機を購入してもらえる話がまとまってきた。

どうやらE子さんが社長に購入を働きかけてくれたらしい。

「ありがとうございます!では今週中に納品させて戴くということで、早速手配させていただきます!よろしくお願いいたします!」

Aさん、絶好調です。

そんなこともあって、E子さんとも多少は雑談をかわすくらいの間柄になってきた。

ところが一ヶ月ほどしたある日、C社から、購入したばかりのコピー機の様子がおかしい、という電話がはいりました。

電話をしたのは事務員のE子さん。

本社から連絡を受けたAさんは、あせってC社に出向きました。

時計の針は夕方5時半をまわっています。

今日はできれば早く帰りたいな、と思っていた矢先ですが、そんなことを言っている場合ではありません。

なにしろ自分がセールスした新製品ですから、マズい対応で相手を怒らせてしまっては、自分の信用にもキズがつきます。

もしも深刻な故障なら、すぐに本部に電話して回収するなり、修理マンを派遣するなりしなければなりません。

C社につくと、会社はすでに業務を終えていて、事務のE子さんだけが残って待っていました。

実はAさん、営業を始める前はメカニックの経験も少しあって、多少のトラブルなら自分で治してしまう腕前の持ち主でした。

調べてあれこれ1時間くらいいじり回して、ようやくコピー機が息を吹き返しました。

「ああよかった。これでなんとか自分の顔も立ちますよ」

ほっとして、顔をあげるAさん。

心配そうにその様子を見つめていたE子さんと目があって、ぺこんと頭をさげる。

「とりあえず、明日、あらためまして社長さんにお詫びに参ります。

今日は遅くまで申し訳ありませんでした」

お詫びをするAさんにE子さんは言いました。

「明日は、社長は夕方までいるはずですが、もしも急に留守にするといけませんから、Aさんの携帯の番号とアドレスをお教えいただけませんか。

そのときはすぐに連絡を入れますから。

あ、念のため、わたしの番号も教えておきますね」

「あ……そうですか。すみません。お手数かけます」

普通に考えたら、仕事上の付き合いしかない営業マンと受付事務の女性が、携帯番号やメールアドレスの交換をするってのは、あんまりないと思いますけどね。

まぁ、相手は親切で言ってくれてるんだと思って、AさんはE子さんに携帯とメルアドを教え、とくに必要とは思わなかったけど、E子さんのそれも自分の携帯に入れておきました。

ただ、その翌日は・・・・・・・(続きはこちら)

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