浮気した夫を許せなくて苦しい ②

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浮気をした男性が償いを口にするときによく言う言葉として「「自分なりに、できることは全部やりました」というものです。

で、その内容はといえば、

おわびに何か買ってあげたとか、

どこかに連れていったとか。

家の手伝いをしたとか家族サービスをした、みたいな。

あと、携帯のアドレスから彼女を連絡先を消したとか、LINEをブロックしたとか……

つまり、妻の心の不安や苦しさに触れて、その想いと向き合おうとする姿勢がほとんど見られず、『カタチ』に代替した償いに終始していることがとても多いです。

そんな中で、「僕はすごく頑張ったんだ。認めてくれよ。もういいだろ?今度は君が許してくれる番だよ」とばかりに、夫だけがさっさとこれまでの日常に戻っている。

でも、深く傷ついた妻の心は、浮気をされていたその瞬間から時間が止まっています。

だから、隣で夫がテレビを見て笑ったり、携帯ゲームをしていることすら、自分が置き去りにされたようで腹が立って仕方がない。『私は今もこんなに苦しんでいるのに、もう終わったつもりなの?』となるわけです。

だから何度も何度も、夫に不安や不信感を訴え、「なんとかしてよ」とSOSを出し続ける。

で、結局、こういう会話になります。

夫「(うんざりした様子で)またその話か。彼女とは別れたし、もう終わったことだろ?」

妻「私はまだ終わってないよ。あなた、自分のしたことがわかっているの?」

夫「だから頑張ってるじゃないか。家の手伝いもしてるし、君が嫌だというから、彼女を乗せた車も買い替えたし、小遣いも減らしたし、毎日食器だって洗ってるし……」

妻「そんなことじゃない!そんなことじゃ、私の気持ちは少しも楽にならないわ!」

夫「じゃぁ、僕はこれ以上、どうすればいいんだ!僕だってどうしていいかわからないよ!」

もとより、男性はおおむね察しが悪いし、考え方が短絡的だったりするので、妻の心をきちんと理解するよりも、『妻に言われたことだけやっていれば、そのうちご機嫌も直るだろう』とか『これだけやったからもういいだろ?』という思いになってしまいがちです。

でも、女性がまず望むことは、物を買ってくれることではなく、言われてされるお手伝いでもなく、夫が自主的に向けてくれる言葉や態度であり、嘘や隠し事をせず、正直でいてくれることであり、気持ちを受け止めようとしてくれる姿勢だったり、辛い時にそばで寄り添ってくれることだったりします。

それが実感できることによって、気が付くと妻の不安は少しずつ減っていて、気が付くと疑うことを忘れていって、穏やかな日々が増えている……。

許すことも、信じることも、そのあとに見えてくるものであって、「それありき」で始まるものではない、ということなんですね。

実は、夫がこのことを理解するだけでも、状況はかなり変わってくることが多いです……。