浮気した夫を許せなくて苦しい ①

「浮気した夫を許せなくて苦しい」と訴えてこられる方の中には、夫が浮気を認めて相手女性との関係を清算し、夫婦としてやりなおそうという段階に入ってもなお、心の傷があまりに深くて、『許す』という心の整理がつかず、苦しんでいる方も少なくありません。

『夫は決して開き直っているわけではないですし、やり直そうと努力している様子もあります。でも、私は彼の気遣いや優しさすらも、すべて偽りに思えてしまって、彼を信じることもできないし、いくら彼が反省や謝罪を並べても、浮気をした事実とそのときの言動や態度、嘘が頭から離れず、どうしても彼を許す気持ちになれないんです』

もちろん、許されないことをしたのだから、許せないのは当然、という論理もありますが、この状態が続いてしまうと、妻も夫も互いに精神的に消耗しつづけて、辛く苦しい日々から抜け出せず、夫婦としての存続すら難しい状況に陥ってしまう危険もあります。

ある妻は言います。

『浮気が発覚するまでは、ずっと夫を信じてきました。でも、今となっては、結婚記念日を一緒にお祝いしたときも、家族で楽しく旅行に行ったときも、その最中に夫は不倫をしていて、私ではない、別の女性に想いを寄せていたのだと思うと、裏切られた怒りや悔しさでどうしても許せないし、今の夫を認めることができません』

そして、ある夫は言います。

「もう相手女性とは別れたし、あれからは連絡もとってないし、妻の言うことはすべてやっているのに、それでも妻は私を許せないようです。何を言っても信じてくれず、何をしても疑われてしまいます。私は精一杯償っているつもりですが、最近は、やり直す気がないのは妻のほうではないかと思えてきました」

こんなふうに、『やり直そう』という思いは一緒だったはずなのに、気が付くと夫婦の意識に大きなギャップが生じてしまっていることがよくあります。

では、そのギャップは、どういうところから生じてしまうのでしょうか。

(浮気した夫を許せなくて苦しい②に続きます)