夫が不倫相手と別れられない理由

浮気を謝罪した夫が、今も女性と。

主婦A子さんのケースです。

『不倫が発覚して夫を問いただしたとき、夫は自分が悪かったと神妙に謝り、『彼女とはもう二度と会ったりしないし、メールや電話でやりとりすることも絶対にしない』と約束してくれました。

あんなに謝ってくれたんだから、ちゃんと終わりにしてくれるはずだし、夫を信じようと頑張ってきました。

それなのに……夫はいまだに相手女性と隠れて会っています。夫はいったい、どういうつもりなのでしょうか?』

浮気が発覚して、妻に許しを請うておきながら、相手女性と別れられない夫

相手女性と別れるとき、大事なポイントとしては、「しっかり別れ話ができているかどうか」です。

たいていの男性は、相手女性にはっきりと別れを告げることを避けたがります。

相手女性に話をするときも、言い訳のように『妻にばれてしまったから、しばらく会わないほうがいいと思うんだ』とか『ほとぼりが冷めるまで、連絡を取らないようにしたいんだけど』といった曖昧な言い方をして、なんとなく相手女性と距離をとって、自然消滅していくことを望む傾向があるのです。

 

相手女性の『すがる心理』

一方、相手女性の心理として、男性の言葉を自分にとって都合の良いように取る、『すがりたい』という気持ちが働きます。

そのため、彼が別れ話をしているつもりでも、「本当は私のことが好きなんでしょ?」「奥さんにバレて、ちょっと気が弱くなってるだけよね?』などと食い下がってくることがよくあります。

男性のホンネとしては、『妻にバレたし、これ以上はヤバいから別れたい』と思っていても、相手女性に毅然とした態度も取れず、口にする言葉も曖昧なので、結果としてずるずると浮気が続くことになってしまいます。

こうなると、男性はいささか立場が弱い。

今までさんざん、好きだとか愛しているとか、妻とは離婚するつもりだ(そんな気はさらさらなくても)、といった言葉を言ってきたので、相手女性に対して露骨に手のひらを返すこともできないし、「妻にバレたから君とは別れる」なんてとても言えないし、下手なこと言って怒らせてしまうと何をされるかわからない、恨みを買うのも嫌だし……と、自分でもどうしていいかわからず、結局、相手女性のいいなりになってしまうこともあります。

妻として、どう接するのが良いのか?

もしも、こういうときに、『どうして彼女と別れてくれないの?』とか『あのときの約束も嘘だったのね』などと、感情まかせに夫を責めてしまうと、ますます彼を追い込んでしまうことになります。

タネをまいたのは夫自身ですし、自業自得の部分はありますが、それでも夫なりに苦しんでいる状態ですから、あまり追い詰めてしまうと、逆に「妻とやっていくのはこれ以上無理だ」と開きなおられたり、家庭内別居のような感じになって、頑なに拒絶の姿勢を示してくる危険もあります。

そうなれば、ご主人は相手女性を『逃げ場所』にして、ますます別れることが困難になってしまうかもしれません。

ではどうすればいいのかというと、これはあくまでご主人が、「相手女性と別れる意思があるのに、別れられないでいる」という状況において言えることですが……

あなたの立場を「責める側」から『守る側」に転じることです。

 

対立するか、理解者になるか

心情的に言えば、彼を責めてしまえば、あなたは彼にとって『批判者』になります。批判者とはつまり敵対する立場です。

でも大事なのは、彼を批判することではなく、むしろ彼の『味方』になることです。

『不倫をやめてくれない夫の味方になるなんて、意味わかんない』と思われるかもしれません。

でも、不倫がバレて話し合いになったときに、「相手女性とは別れるから」と言ってくれた言葉は、(少なくてもその時は)決して嘘ではないと私は思います。

たとえ相手女性がゴネて別れを拒んでいるとしても、ご主人がしっかり別れを宣告したら、相手女性はそれを受け入れざるを得ないでしょう。

でも、男性というのは、こういう場面ではおおむね『意気地なし』です。

彼ひとりでは意志が弱かったり、パワー不足でしっかり相手女性を拒むことができないでいるんです。

だからこそ、あなたは批判者として彼を責めるのではなく、むしろ夫婦としてのこれからの生活、今ある幸せを守りたいという思いのもとに、ふたりの共通の問題として、相手女性にどう対処するか、どういう態度を示して関係を断っていくかを考えていくほうがうまいくきます。

妻として、上手に夫の味方となり、背中を押していくというのも、大切なポイントだと思います。