浮気を繰り返す夫の心理

浮気がバレるたびに妻に許しを乞い、「二度としない」と約束しながらも、また浮気を繰り返す夫がいます。

『あのときの謝罪は嘘だったの?』とか『彼を信じたことが間違いだったわ!』などと、浮気されるたびに絶望的な気持ちになってしまう方も少なくありません。

ただ、たいていの場合、妻にバレた瞬間は本人も確かに悪かったと思っていて、『もう浮気はしません』という気持ちで約束しているはずなんです。

ところが、『悪かった』とは思うものの、『懲りる』とか『悔いる』というレベルに到達していないので、その瞬間は『もうしません』と思っても、ほとぼりが冷めると『LINEのやりとりくらいいいだろう』とか『せっかく彼女が好意を寄せてくれているから……』といった感じで自制が効かくなり、『気が付いたらこんなことになってしまった……みたいなことになりがちです。

よく、ネットを検索していると『いちど浮気をした男性は、必ずまた繰り返すよ』といった記事や書き込みを見受けますが、それは一概に言えることではなく、肝心なのは、その男性が一度の浮気で何を感じ、何を学ぶかです。

浮気によって妻を苦しめてしまったことを心から後悔し、代償の大きさを思い知って『もう懲り懲りだ』と骨身に染みることができた男性は、浮気なんかする気にもなりません

それから、浮気が妻にバレることは、文字通り最悪の展開ですが、本当に大変なのは、浮気がバレたときではなく、その後の夫婦関係を修復していくときです。

『修復』と口で言うのは簡単ですが、実際には相当の覚悟と忍耐がいりますし、言うほど簡単じゃないです。

浮気された妻が、心の不安や苦しみを乗り越え、フラッシュバックによる不安定な状態から心穏やかに過ごせる日々に戻っていくためには、短く見積もっても最低半年、普通は1年から2年程度かかります。

そのあいだ、夫のほうだって妻に対して誠意を示し、妻の気持ちを理解して、寄り添っていく日々を積み重ねていくことは絶対に必要です。

そして、ようやく妻が笑顔を見せてくれるようになって、幸せを取り戻すことができた男性は、逆にそれがどれほど壊れやすく、かけがえのないものであるか身をもって理解しています。

そんな人が、その後も浮気を繰り返したりするでしょうか?

私は電話相談のなかで、浮気をしたご主人自身から直接お話を伺うこともあります。

そして、夫婦関係の修復の最中にあるご主人には、「浮気をしてみてどうでしたか?なんかいいことありました?」とあえてお尋したりもします。(ちょっと意地悪かもしれませんどね……)

すると、真剣に奥様と向き合おうとしている方ほど、『いや、割の合うことなんて何もなかったですよ』とか『こんなことになるなんて思ってもいませんでした。もう懲り懲りですよ』と返答されます。

『だったら浮気なんかするなよっ!』と突っ込みたくなりますが、やってみて思い知った、ということも正直なところなんじゃないかと思います。

その思いをちゃんと持ち続けられる男性は、浮気なんか二度としません。

逆にいえば、それだけの落とし込みができていない人が、浮気を繰り返す、ということなんです。

これは実は、妻のほうが軽く許してしまうことにも問題があります。

たとえば、単にお説教して終わりにしたとか、平気なフリで『今回だけは許してあげるね。そのかわり……』と、新しいバッグを買ってもらって許したとか……

要は、夫自身があまり痛みを感じない状態で許してしまうと、妻の苦しみがどれほどのものかを理解できず、逆に「たいしたことはないんだな」と軽く考えてしまうんです。

そもそも男性が浮気をするとき、妻との関係を損なったり、離婚だとか慰謝料とか、面倒くさいことになることは初めから望んでいません。

だから本人が痛みを感じない限り、『浮気しても妻は許してくれる』と逆に自信をもってしまうことさえあります。

浮気がバレたことも、男性によっては、駐車違反で反則切符を切られた程度にしか思っていない方も実際にいます。

反則切符はお金を払えば済みますし、点数はしばらくすればもとに戻りますが、妻の信頼はお金では買えませんし、一度の夫の浮気で、女性は一生心に残る傷を負いますからね。

「浮気くらい大したことないだろ」という認識のままでは、それこそ『たかが浮気』では済まない結果になっていくことは、言うまでもないことです。

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