浮気が終わった後の心の葛藤

ご相談くださる方の中には、「たとえ夫が相手女性と別れてくれたとしても、元に戻ることなんてできません。夫の浮気を、なかったことにはできません。子供のことを考えて、表面上は何事もなかったように振舞ってはいますし、これからも夫婦でいることが一番だと考えてはいますが、夫のことを以前と同じように信じることなんてできません」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

夫からどんなに謝罪や誠意の言葉があっても、「でもあなたは浮気をしたでしょう?私がいても、あなたはほかの人を愛することができる人なのよね。」と、夫に裏切られたショックと失望感から立ち直れず、夫が夫婦関係修復のために頑張っていることは理解しつつも、自分の心がそれを受け入れられない、というご相談が多いのも事実です。

中には、「浮気をする前の夫は、100点満点あげられる理想の夫でした。でも、浮気をしたあとの夫は、0点以下です。私の心の中に、信頼していたあのころの夫はもういません。私の心の中に、もとの夫が戻ってくることは二度とありません」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

夫のことを信頼してこられた方ほど、こういう気持ちが強くなります。

浮気を認め、妻に謝罪し、相手女性との関係を終わらせたとき、多くの夫は、自分ができる限りのことはしたし、妻も許してくれて、もとの生活に戻れるだろうと考えます。

ところが、妻のほうはさんざん苦しみ、悲しみ、裏切られて傷ついています。

その心の傷は、夫の想像をはるかに超えているのです。

ですから、夫の謝罪や反省の言葉があっても、すぐには心は癒えません。

でも、自分が頑なな態度でいれば、夫との関係が余計に悪くなってしまうかもしれないと心配して、傷ついた心のままに、つらい思いをひきずりながら、ふたたび夫婦の日常が始まるわけです。

そこでは夫との会話もあるし、一緒に出掛けたりもする。

決して愛情をなくしてしまったわけでもない。でも、妻の心の中には不安が消えず、心から笑えず、「穏やかな日常を演じている自分」がいる。

それでなくても、フラッシュバックで感情が不安定になり、猛烈に怒りがこみあげて夫が許せなくなったり、悲しくてたまらなくなったり、自分のメンタルがコントロールできないので、逆にケロリとして平然顔の夫を見ると、理不尽さに気が狂いそうになる。

寝る前、布団に入れば、思い出したくもない記憶が無理やり脳内で再生されていく。

夫が相手女性と交わしていた、目を疑うようなLINEのやりとり。

浮気を問いただしたら、開き直って逆切れしてきた夫の顔。

忘れようと努力はしてるけど、夜、眠りに落ちる前は、いつもそれを思い出す。

 

浮気は終わったはずなのに。

私の苦しみはぜんぜん終わらない。

ぜんぜん楽になんてならないよ。

でも、夫だけは浮気は過去のこととして、完全に許されたつもりでいる。

 

そんな状態のままに、時間だけが過ぎている・・・・・。

だから、戻れないんです。

それでなくても大半の夫は、妻の心が置き去りになっていることに気づいていない。

だから、妻の心からはいつまでも不安が消えることはなく、心の傷も癒されることはない。

「癒されていくための時間」が、とまってしまっているんです。

 

浮気は、その現象が終わるだけではだめなんです。

浮気が終わったからといって、夫婦としてすぐにもとに戻れるわけではないのです。

夫婦として元に戻っていくためには、「心のリハビリ」が必要不可欠といえます。

それは単に時間の経過だけで解決できる問題ではない。

夫が妻の心を理解して受け止め、妻に対して寄り添っていくなかで、それは初めて叶うものです。

そして、不安のない状態が日常になるからこそ、疑うことを忘れていくのです。

その状態になって初めて、再び夫の言葉を抵抗なく受け入れることができるようになり、夫の行動がそれに伴っていることを実感していく中で、結果として夫のことが信じられるようになっていくものなのです。