モラハラ:治る夫と治らない夫

ひとくちにモラハラといっても、さまざまな『程度』があります。

もともと筋金入りのモラハラ夫で、「お前なんか何の価値もない」とか「生きてて恥ずかしくないのか」など耳を疑うような言葉を放つ男性もいます。

あるいは、些細なことでも「そんなこともわからないのか」と見下したり、「これはこうするのが当たり前だろ」と一方的な概念をぶつけてくる男性もいます。

一方、言われた妻のほうは、ひどい言葉を浴びせられているにも関わらず、あまりにそれが日常化していて、ある意味感覚が麻痺してしまい、『私がちゃんとしないから言われるんだ』とか『夫のほうが正しいはずだわ』と自分に言い聞かすようにして、夫の言葉を飲み込んでしまっていることもよくあります。

ところが、モラハラについて理解できてくると、おかしいのは自分ではなく、夫のほうなんだとわかってきます。

それまでも、心の中では夫の言動に理不尽さは感じていますから、『どうしてこんな言い方をされるんだろう?』と思いながらもずっと我慢してきたわけで、夫がモラハラだとわかったとたん、言われっぱなしの妻から、強く毅然とした妻に変わっていくことがあります。

私はこれは、正しい反応だと思います。

夫のモラハラに耐え続けている方は、いつか心の限界を迎え、ノイローゼとか、うつ病を発症してしまうこともあり、自分を保つためには、夫のモラハラにしっかり対抗するほうが、自分を守ることにつながるからです。

ただ、当の夫自身は、今まで通りに言いたいことを言い、いつもと変わらずに接しているだけなので、そもそも自分のやっていることがモラハラだという意識がありません。

逆に、今までなんでもなかったのに、どうして急にモラハラとか言って、夫婦関係がギクシャクしてしまったんだろう?と夫自身も事態がつかめず、困惑していることも実はよくあります。

ここで、自分の言動をモラハラであると自覚できるか否かが、今後の大事な分かれ道になります。

先日も私のところに、『妻から、あなたはモラハラだと言われました。自分では意識したことはなかったのですが、自分の言葉に妻がずっと傷ついていたと知りました。これからどう改めていけばよいのでしょうか』と切実な思いでお電話を下さった男性がいらっしゃいました。

この方はご自分でも、『妻の言葉が自分を見直す一つのきっかけになった』とおっしゃっています。

そして、何がモラハラで、どういう言葉や態度が妻を悲しませ、傷つけているかを理解され、ご自分の妻に対する考え方にも過ちがあったと気づかれ、今はとても仲のよいご夫婦に戻られています。

私は、たとえ今の時点でモラハラであっても、自分を見直して改めていこうと思える方は、必ず変わることができると信じています。

逆にいえば、自分が王様、自分の言うことが絶対正義だと考える男性は、妻の言葉に耳を貸そうとはしませんし、言えば逆ギレされたり、余計にエスカレートすることもあります。

そういう男性は、正直、これからも変わる見込みがほとんどありません。

そこはしっかり見極めることが大切です。

長年にわたる夫のモラハラに耐え続け、精神的にも疲れ果て、自信をなくして自分自身を認められなくなってしまっている方もいらっしゃいます。

変わる見込みのないご主人に疲れ果てて、あなたが壊れてしまっては、耐える意味すらありません。

もしそうなら、心が壊れる前に、対策を講じるべきです。必要なら別居や離婚も視野にいれるべきかもれしません。

モラハラはひとりで悩んでいても解決はできません。お悩みの方は、ぜひ電話でお話を伺わせてください。

 

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