夫の浮気に悩む女性から、『最近、子どもの様子がおかしい』というお話を伺うことがあります。
それは、親の変化を敏感に感じ取っているから、ということが理由としてあると思います。
例えば、パパが遊んでくれなくなったとか、スキンシップが減ったり、言葉や態度が冷たいなど直接的なものもありますが、何よりも、夫の浮気によって精神的に不安定になってしまった妻のほうが、子どもに対して今まで通りに接することができなくなったり、逆に子どものほうがママのストレスを感じ取って、情緒不安定になってしまっていることがあります。
実際、夫の浮気が原因で夫婦げんかになったり、逆にまったく口を利かずに家庭内別居状態になってしまうなど、目に見える形で夫婦関係の異変があれば、理由はわからないとしても1~2歳のお子さんでも感じとりますし、たとえそうした大きな異変を見せなかったとしても『お母さんがしょっちゅう怒っている』とか『お母さんがずっと元気がない』といった母親の様子は、たいていの子どもは嫌でも察します。
0歳の赤ちゃんにも、お母さんの感情は伝わっていますから、お母さんが不安になれば、赤ちゃんも不安を感じます。理由も理屈もわからなくても、お母さんが不機嫌なことは察しますし、そんなときは赤ちゃんも機嫌が悪くなります。
お電話をいただいた方の中にも、夫が浮気して夫婦喧嘩が絶えなくなってから、1歳になった子どもが夜泣きをするようになってしまったとか、お母さんがついついイライラを子どもにぶつけてしまって、たいしたことでもないのに、厳しく叱ってしまって以来、子どもがお母さんの顔色をうかがうようになってしまった、といったお話も数多く伺います。
また、2歳くらいになると、パパとママが仲が良くないことを知って、自分が間に入ろうとするお子さんもいます。
ある方の2歳になる娘さんは、夫婦関係が冷めてしまったふたりに向かって、「パパとママって、ラブラブだよね」とわざと二人の手をつながせようとしたり、話かけて会話をさせようとするそうです。
幼いお子さんの健気さを思うと、胸が痛みます。
このように、父親の浮気によって幼い子どもが受ける影響も決して軽視できません。
また、お母さんのフラッシュバックによって、たいしたことでもないのに、子どもに対して辛く当たってしまったり、ヒステリックに叱ったりして、自己嫌悪に陥ってしまうという話もよくあります。
これらも立派な『浮気の弊害』です。
そもそも親子は『気』でつながっていますから、お母さんがそのような状態であれば、子どももまた情緒不安定になることは避けられません。
家のことも手につかず、子どもの面倒もみられなくなり、妻としても、母親としても自信を無くしてしまう方もいらっしゃいます。
『たかが浮気、どっしり構えていれば大丈夫』と言っていられるのは初めのうちだけです。
夫の浮気によって家庭の中は否応なく荒れてきますし、お子さんに影響が及びだせば、浮気は夫婦の問題から『家族の問題』に発展していきます。
『小さな子どもだから何もわからないだろう』というのは、大きな間違いです。
小さな子どもこそ、うれしいことも悲しいことも、パパやママの心をそのまま感じ取り、子ども自身の心に投影していくものなのです。