ご相談をいただいた方の中に、「夫の顔を見たら全身にジンマシンが出ます」とおっしゃっていた方がいます。
この方の場合、夫が浮気をしていることには気づいていてるのですが、言い出す勇気が持てずにずっと黙っていたそうです。
浮気されていることは悲しいけれども、決して夫のことが嫌いだとか、一緒にいるのが嫌だというわけではないのですが、夫が帰宅する時間になるとムズムズしてきて、夫の顔を見ると、もう全身かゆくてたまらない、という状態になってしまうそうです。
これはいわゆる『心因性ジンマシン』というものです。
『夫が浮気していることはわかっているけれど、夫に切り出す勇気がない』
『切り出せば、夫は今日にも離婚を宣告してくるのではないか』
『問い詰めたりしたら、かえって相手女性のもとに行ってしまうのではないか』
『子供の前では明るくしなくっちゃ、でも、平気を装うのはもう限界・・・』
そんななかで、猛烈なストレスが心に重い負荷をかけていきます。
そして、心の中だけでそのストレスが収まりきらず、ジンマシンという外的症状となってでてきてしまうわけです。
ワシントン大学医学部のトーマス・H・ホームズ博士という社会学者がいます。
彼は生活ストレスのなかで一番大きなものが、配偶者の死=100を挙げています。
次に離婚でストレス値は73、その次が別居生活で65。
浮気、不倫についての具体的なストレス値は公表されていませんが、少なくても夫婦問題において非常に大きなストレスがかかることは明白ですから、浮気に悩んでいる方は、誰でも同様の症状が生じうるということでもあります。
ジンマシンは普通は、食べ物に対するアレルギー反応によって起こるもので、抗ヒスタミン剤の投与によって治療を行いますが、心因性ジンマシンは、そうしたお薬を服用するよりも、精神的負担を軽くする、ストレスを発散することが効果的な治療となります。
とはいえ、夫の浮気によって生じたストレスを、たとえばジョギングをしたり、カラオケを歌ったりすることで発散できるかといえば、多くの場合、それは難しいです。
気分転換としてはもちろん一定の効果は期待できますが、そもそも心のストレスを、体を動かすことで解消しようということ自体にかなり無理があるんです。
ストレスというのは、体を動かして解消できるものと、思考を整えて解消できるものがあります。
浮気されたことによって生じるストレスは当然、後者ですので、それに見合った解消方法が必要になってくるわけです。
この点については、『浮気のストレスを緩和する方法』のページで詳しく書いているので、そちらもあわせてご覧ください。