「夫が私の話をぜんぜん聞いてくれません」とか「私の話しをとても面倒くさそうに聞くので悲しいです」というご相談をいただくことがあります。
「夫の反応があまりに薄くて、植木に話しかけてるみたいです」とおっしゃる方もいます。
夫が話を聞いてくれないとか、話し合うのが難しいという悩みは、実はかなり多いんです。
もしかしたら、あなたもそう感じているかもしれませんね。
ご主人がもともと無口なタイプだったり、自分の考えをあまり言わない性格の人だったりして、『反応が薄い』ということも考えられますが、たいていの場合、ご主人はあなたのことをわざと無視しているわけではないし、あなたと話をするのが嫌だと思っているわけではない(はず)です。
(何か理由があって、意識的にあなたを拒絶している場合は別ですが・・・・)
男性は会話をするときに、「これが何のための会話か」を理解したうえで話をしたがる「目的志向型」の傾向があります。
これは女性同士の会話とは対照的なものです。
女性同士が話をするときには、特にテーマが決まっていなくても、何から始まってどこで終わろうと、話すこと自体を楽しめれば問題はない、という一面がありますが、男性は話をする目的や結論を重視するため、焦点の定まっていない話や漠然とした会話がとても苦手で、時には苦痛を感じることすらあります。
たとえばあなたが、「今日の仕事、どうだったの?」と聞いたとします。
すると大抵は、「今日の仕事・・・・・?いつもと一緒だよ」とか、「別に・・・・」とか、なんともそっけないやりとりで終わってしまうでしょう。
でもそれは、あなたと話をしたくないと思っているのではなく、あなたが何について知りたいのか推し量ることができずに、答えが見つけられずにいるのです。
そして、ご主人は内心、こう思っています。
『仕事がどうって聞かれても、仕事の何について知りたいんだ?』
『特に話して聞かせる事なんてないよ。というより、言っても君には理解できないだろう?』
『君がどういう話を聞きたいのかわからないよ。君が喜ぶネタなんて思いあたらないし』
もちろん、あなたはご主人を悩ませるつもりはまったくないでしょうし、仕事の内容をどうしても聞き出したいと思っているわけでもないでしょう。
ただ『軽い会話』として、『今日の仕事、どうだったの?』と聞いてみただけですよね。
ところがご主人は『君に話をする以上は、君にとって意味のある内容でないと、、、』と話す目的を先に探してしまうんです。
ですので、もしもあなたが、ご主人とちゃんと話し合いをしたいとか、コミュニケーションをとりたいと思ったときには、できるだけ具体的な質問をするようにしてください。
たとえば、『今日は月末だから忙しかったでしょう?お昼はちゃんと食べれたの?』とか『最近、残業が多いみたいで大変ね。疲れが溜まっているようなことはない?』といった感じです。
そういう話を振られれば、聞かれていることがはっきりしますから、
・忙しかったか、そうでなかったのか、
・昼食は取れたのか、取れなかったのか
・疲れが溜まっていないか
といったテーマが明確になり、それに対する返答も具体的になってきます。
『え~、やだな。めんどくさい』
そのお気持ちはよくわかります。
なので、特に気を使って話をしようとかしなくてよいので、『夫が話を聞いてくれない』と思った時には、『ああ、どう答えていいかわからないんだな』と察してあげるだけで構いません。
それだけでも、あなたは彼に対して無用なストレスを感じずにすみますし、悲しい気持ちにならなずに済みますから。
また余談ですが、ご主人のほうか話をしてくるような場合、ご主人は頭の中で、どういう話を、どういうテーマで、どんなふうに話そうかと考えながら、一生懸命、話を組み立てている場合が多いです。
ですから、そんなときは話に割って入ったり、中断したりしないほうがいいです。
話を中断されると、思考のプロセスまで止まってしまうために、ご主人自身が、何をどこまで話していたかわからなくなったり、気が散ってイライラしたり、腹を立てたりすることがあるからです。