浮気された後のフラッシュバックについて

浮気のご相談を伺っていると『夫は相手女性と別れてくれましたが、どうしても辛かったときのことが忘れられず、時折感情的になって夫を責めてしまいます』という方がいらっしゃいます。

これはいわゆる「フラッシュバック」といわれるもので、たとえば相手女性と同じ苗字を何かで見かけたり、夫が相手女性と旅行した地名が天気予報で出るとか、何かのきっかけで当時のことを思い出して、不安や悲しみ、怒りといった感情がこみあげてきて、発作的に夫に当たってしまうわけです。

多くの場合、半年から1年くらいは、こうした経験を皆さんされていらっしゃるようです。

この期間は個人差があり、中には、夫の浮気から数年経った後でも、フラッシュバックに苦しんでいる、という方もいらっしゃいます。

当の夫にしてみれば、妻に浮気がバレて、事実を認めて相手女性との関係を終わらせた時点で、最大限に誠意を尽くしたつもりでいますので、『これで妻は自分を許してくれて、今まで通りの関係に戻れるはず』と考え、妻にもそれを望みます。

極端に言えば、夫にとっては、相手女性と別れた時点で、もはや浮気は『過去の話』なわけです。

ところが妻にしてみれば、今まで夫を信じていて、それまでの生活が幸せであればあるほど、裏切られた思いは深く、たとえ夫が相手女性と別れてくれたとしても、すぐに夫の裏切りを許せるわけもないですし、心に深い傷を負っています。

そして、この状況の中にいる妻は、自分の苦しみと夫の平然とした様子に大きなギャップを感じ、夫が反省していないとか、自分の苦しみを理解してくれていないことに強い不満を感じてしまうのです。

私のもとにご相談いただく方にも、『夫は優しいですし、精一杯に家のこともしてくれるし、夫なりに頑張っていることはよくわかっているのですが、それでも、どうしてもまだ夫のことを信じられないし、もとのように夫に対しての気持ちが持てないでいます』とおっしゃる方が少なくありません。

そして、夫が普通にテレビを見て笑ったり、スマホでゲームをしている姿を見ると、なんだか無性に腹が立ってきて、『私がこんなに苦しんでいるのに・・・・・!』と怒りをぶつけたくなったりすることもあるでしょう。

でも、夫は夫で、妻が依然として時折見せる悲しい顔や、元通りの明るい日常に戻れていないことに多少なりとも責任を感じ、なんとか修復したいと考えているものですが、フラッシュバックを繰り返す妻に疲れ、『これ以上どうすればいいんだ?』と途方に暮れてしまい、逆に、『いつまで過去のことを言っているつもりだ?』と開き直りに近い態度をとったり、妻を拒絶したり、避けたりするようになってしまうこともあります。

でも、だからといってフラッシュバックは無理に我慢する必要はありません。というより、むしろ我慢しないでください。

フラッシュバックは、ある意味、心のガス抜きの役目も果たしています。

感情を抑え込むことは、心にますますストレスを溜め込むことになり、後々のフラッシュバックがかえってエスカレートしてしまう恐れがあるのです。

フラッシュバックはそれぞれに現れ方が違います。

泣きながら責め続ける人もいるし、大声で叫ぶ人もいるし、怒り狂う人もいるし、物を壊したり投げたつけたりする人もいます。

中には、夫を殴るなどの暴力をふるう人もいます。

ご主人にしても、それをすべて受け止めることは簡単なことではないでしょうし、ご主人自身の心が折れてしまう危険もありますから、無制限に耐えるべきとはいいません。

ただ、そもそもの原因を作ったのがご主人である以上、ある程度の忍耐をもって許容していただくことは、避けられないことのように思います。

もしもあなたが、フラッシュバックによって、ご主人を責めてしまうことがあったときは、あなたが落ち着きを取り戻してからでよいですから、次のような言葉をかけてあげてください。

たとえば、『さっきはごめんね。ときどきすごく不安になって、自分でも感情が止められなくなってしまうの。でも、もう大丈夫だからね』とあなたの気持ちをできるだけ具体的に言ってあげていただきたいのです。

そうすれば、ご主人は、あなたがご主人を憎いのではなく、不安から責めてしまうのだと理解するので、辛抱強くあなたを受け止めてくれるようになるでしょう。

そうしたご主人の優しさや誠実さを感じていくなかで、あなたの心のリハビリは進み、少しずつ、フラッシュバックも治まっていくはずです。

だからこそ、浮気という行為が、どれほど妻の心の傷となってしまっているか、妻にとって残酷なことかを、ご主人にもしっかり受け止めていただく必要があるのです。