日本で暮らすイラン人夫の浮気⑥

前はこちら

もちろん、浮気を許すということではありません。ただ、ご主人にその思いを持ってもらうためには、夫婦の心のズレを補正していく努力もあわせて行っていく以外にはないと思うのです。

その後、加奈子さんとは、2か月ほどコンサルティングをさせていただきました。

ご主人は、子ども失ったこと、警察に拘束されたり、仕事がうまくいかなかった日々はとてもつらかったが、それ以上に加奈子さんが責めてばかりいて、夫婦間で喧嘩が絶えなかったことが、何よりも苦痛だったとのことでした。

それは加奈子さんにとって、思ってもいなかった言葉だったそうです。

加奈子さんは、夫の浮気こそが喧嘩や不仲の原因で、非は夫のほうにあると思っていたからです。

つまり、妻は浮気されたことが原因と考え、夫は浮気したことは結果だと思っていた、ということです。

こういうズレに気づいていただくことで、互いの思いが見違えるように通じていくことも珍しくなく、夫婦コンサルティングはそのきっかけとしても、非常に効果的といえます。

加奈子さんの場合も、ご主人との意思疎通がしっかりできたことで、ご主人自身が浮気相手と関係を断ち、それからは落ち着いた日々を取り戻すことができています。

最後に夫婦をつなぎとめていくのは、習慣でも文化でもなく、愛情と信頼です。

そして、愛情と信頼は、毎日の生活の中で、時間をかけて、二人が力をあわせて育てていくものだと思うのです。

問い合わせ