置き撮りで不倫現場を撮影する

これは、私がかつて個人探偵をしていたときのことです。

あるクライアント様からこんなご依頼がありました。

『ある日突然、夫が「しばらく一人になりたい」というメールだけを残して家出して、職場もやめてしまいました。

仕事は以前から辞めようと思っていたようです。

夫が家出する直前、偶然見つけた携帯メールから、職場の女性と不倫をしていることはわかっていました。

夫の職場は私も以前に勤めていたので、その女性のことは知っていました。おそらく、今はその女性のところで同棲をしているのだと思います。

元同僚に相談して、その女性の住所は教えてもらいました。

夫がその女性と一緒にいることを確認して、その証拠を撮ってほしいです』

ご依頼内容を整理すると、今現在、夫がどこにいるのか確認はとれていないけれども、おそらくメールのやりとりのあった女性のところにいるはずだから、住所はわかっているので、夫がそこにいる映像を撮ってほしい、というご依頼でした。

もちろん、相手女性のもとにご主人がいるというのは、あくまで奥様の憶測です。

ただ、女性のカンというのは侮れないものですし、その可能性も確かにありました。

このときのご依頼では、相手女性の自宅がわかっていたので、そこにご主人が出入りしているかどうか、事実確認をとることが主な内容になります。

これ自体はさほど難しい依頼ではありませんでした。

なにしろ、相手女性の自宅がわかっているので、、、、。

で、もちろん、ご依頼いただいた通り、女性のもとに出入りするご主人の姿を確認して、映像に抑えることに成功しています。

ただ、張り込みという作業は、一見簡単そうに見えますが、住宅が密集したところや人の多いところでは、周囲の住人に怪しまれてしまったり、対象者に気づかれてしまうことがあり、実はかなりハードワークです。

最悪の場合、不審がられて警察に通報されてしまうことも・・・・・

通常は、立ったままでの長時間の張り込みが難しい場合は、近くに車を停めて、車の中からビデオカメラで撮影を試みることが一般的です。

しかし、この時は現場の道路が狭く、近くに駐車できるスペースもなかったため、車を入れることができませんでした。

そこで、『置き撮り』という方法を使うことにしました。

これは、撮影者はその場から立ち去り、カメラを置いた状態で撮影を続けるというものです。

やり方は人それぞれですが、当時、私は自転車を使った置き撮りをよく用いていました。

正直、これは誰でもできます。

まず、自転車(ママチャリ)の前かごに、紙袋に入れたビデオカメラを録画状態でセットします。

紙袋には丸く穴があいていて、レンズが外を写せるようになってます。

ビデオカメラは、最低でも2時間くらい連続録画をするため、バッテリーは大きめのものを入れ、録画するためのSDカードもなるべく大容量のものを使用します。

ビデオカメラをセットしたら、そのまま立ち去ります。

そして、2時間ごとにバッテリーと録画データの入ったSDカードを交換するのです。

これにより、私自身はその現場で張り込みをしなくても、カメラが勝手に撮影を続けてくれます。

人が立っていたり、車が長時間駐車していると、人は不信感を持ちますが、自転車が道端に停まっていても、それほど不審がる人はいません。

もちろん、ママチャリの前かごに入れたカメラはカモフラージュしてあるので、外観は薄汚れた紙袋で、しかもちょっとゴミっぽく見えるようにしてあります。(持っていかれたら困りますからね、、、)

ちょっと裏技的なやり方ですが、こういう方法をうまく利用すると、長時間の撮影もストレスなく行うことができますので、状況が近い方なら応用できると思い、ご紹介いたしました。