浮気が本当に終わるとき

浮気は様々なケースがありますが、結局は人の心がもたらすもので、そのメカニズムは意外とシンプルです。

つまり、浮気は『欲』で始まり、『理性』によって終結する、ということです。

浮気をしているときは、『その女性と仲良くなりたい、デートしたい、セックスしたい』などの『欲』に駆られている状態で、思考力も低下し、自分に都合のいいことばかり思い描き、ほとんど勢いだけで突き進んでいる状態だったりします。

『恋は盲目』といいますが、浮気もそれは同じというわけです。

ところが妻に浮気がバレて、事実を認めるしかなくなり、その責任を問われるなど『現実』と向き合わざるを得なくなってくると、よくやく自分に都合の悪いことにも目がむくようになり、それまで麻痺していた思考力がふたたび働きだします。

そうなって初めて、妻や子供のことを考えたり、家庭や仕事など、このままでは失ってしまうかもしれないものに意識が向いたり、今だけではない「これから」のことも考えることができるようになり、欲に支配されていた状態から、『理性』によって自分自身をコントロールできる状態に変わっていくのです。

浮気が終わっていくためには、このプロセスは結構重要です。

そして、夫が浮気をしてしまった背景に、夫婦間の愛情の冷え込みや蓄積した問題があったり、夫が向き合うことを避けて逃げてしまう『逃げ癖』があるような場合には、そこもしっかり話し合ったり、意識しあうことが、これからの夫婦関係を改善していくうえで大事なポイントになります。

ご相談いただく方々の中にも、夫の浮気をきっかけにして、今まで気づかずにいた問題に気づいたり、自分自身をかえりみたり、これまでの夫婦の「ありかた」を見直す機会となり、結果として互いの思いが今まで以上に深まり、大切にしあえる関係になれた、というご夫婦がたくさんいらっしゃいます。

ただし、これは一朝一夕にできることではなく、夫が妻の心情を理解しつつ、気持ちに寄り添いながら、多くの時間を積み重ねてこそ叶うことです。

この『夫が妻の心情を理解する』というのは、意外と大きな壁だったりします。

夫婦とはいえ、おおむね男性は女性の気持ちを3~4割程度しか理解しておらず、一方的な考えで『修復』のレールを敷こうとする傾向があるからです。

たとえば、妻との関係を修復していくうえで、夫の心からの反省と誠意が必要なのは当然ですが、多くの男性は『相手女性と別れた時点で誠意は見せている』とか『やりなおそうと決めたんだから、まずは僕を信じてよ!』といった感じで、「もう終わったこと」という前提のもとで、すぐにでも妻が元通りに戻ってくれることを求めがちです。

そのため、期待通りに妻が回復してくれないと、妻の心が置き去りになっていることにも気づかず、『まだ俺を責めたりないのか!』とか『別れたんだからもういいだろ!』と逆ギレしてきたり、うんざり&冷たい態度で突き放そうとしてくることが少なくないのです。

でも妻からしたら、そんなすぐに不安が消えるわけがないし、フラッシュバックだって発作的なものですし、決して夫を憎くてそうなっているわけではありませんよね。

でも、多くの男性はそうした妻の心情を理解できず、単に「怒りをぶつけてるだけだろ」としか思えなかったりするのです。

これでは『修復』は名ばかりのものとなり、『妻の心情を理解する』どころか、夫婦喧嘩が絶えず、ますます『理解しあえない二人』になってしまう恐れもあります。

言うまでもないことですが、浮気は『女性と別れたから終わり』ではありません。

むしろ、そこからが本当の『修復の始まり』です。

夫婦関係の修復とは、言い方を変えれば、『壊れてしまった妻の心を修復する』ということです。

男性はすぐに結果を求めて、途中のプロセスを軽視するところがありますが、浮気の苦しみが本当に終わるためには、妻の不安が消えて、安心できる日常が戻ってこそですし、そのためには、『毎日の夫の姿』が、妻にとってどう映っているかが大変重要です。

そして、その結果として妻が『元通りの姿に戻れたとき』こそ、浮気が本当に終わったときであり、『修復の時間』もまた完了したといえるのだと思うのです。