わがまま夫に合わせた結果……

男性は、元来甘えん坊のところがあります。

結婚して子どもができても、妻に優しくしてもらいたい、自分にも子どもと同じくらい愛情を示してもらいたいと思っています。たとえ50代60代になっても、それってあるんです。

でもその反面、自分の我を通したいとか、自分の主張を(身勝手であっても)妻に受け入れてもらいたい、といった思いもあわせ持っています。

たとえば、幼い子どもがいるにもかかわらず「土日は友達と趣味のツーリングにいきたい!」とか「今度のボーナスで絶対〇〇を買いたい」とか……、まるで独身のときと変わらない時間やお金の使い方を望んだりします。

ただし、あくまでこれは願望であって、大半の男性は、結婚した以上、これらの欲求が妻に簡単に受け入れられないことを理解しています。

(あなただって、ご主人が30万のボーナスで25万の時計が欲しいと言っても、簡単に「うん、いいよ」とは言えませんよね?)

だから、夫は自分なりに欲望を自制して少しは我慢するとか、妻に許してもらえるように何かの条件を飲むとか、妻の許容する範囲内で満足しようとします。

これが「折り合いをつける」ということです。

ところが、中にはそういう自制が効かない男性もいます。

俗にいう『とにかくやりたいようにやりたい』というタイプがそれですね。

このタイプの男性は、『言い出したら聞かない』傾向があって、しかも結構頑固な一面もあります。

喧嘩をしても自分からは絶対に謝らないとか、自分が悪かったという反省がなかなかできないとか、夫婦で何か話し合いをしようとしても、譲り合った話し合いができなくなりがちです。

そのため、しかたなく妻のほうが折れて、夫にあわせてあげるということが日常化しやすいです。

ちなみにこういう夫婦の場合、おおむね妻のほうが賢い方だったりします。

私がご相談いただいた中でも、このようなご夫婦の6割以上のケースで、夫よりも妻のほうが物事に対する理解が深く、頭の回転が速い方だったり、機転がきいて夫に対して実はリードできるタイプだったり、すぐに夫に助け舟を出してしまう世話女房タイプだったりします。

もちろん、それもひとつの夫婦の形ですから、お互いにそれでよければ構わないのですが、そうやって長年連れ添ってきてしまうと、夫のほうはなかなか自分の非を認められなかったり、『妻が折れて当たり前、合わせてくれて当たり前』という思考がガチガチに固まってしまいます。

結果として、自分が努力しなくても妻が合わせてくれる、という日常のなかで、夫のほうから妻を理解しようと努力したり、自分の行いを反省したり、後悔して改めるといったことをしなくなります。

そのため、浮気をした場合でも、妻がどれほど辛い思いをするかを考えるよりも、『バレても最後には許してくれるだろう』とか『(離婚すると脅かせば)妻のほうが折れてくるだろう』とタカをくくって考えるようになってしまうのです。

実際、浮気を問いただした途端に『俺は自分を変える気はないから、お前が合わせられないなら離婚しても仕方ないな』などと突き放すように言われてしまうケースはたくさんあります。

でも、そう言うときでさえ、本当に離婚してもいいと考えているわけではなく、そう言えば妻のほうから折れてくれるだろうという計算ずみの言葉だったりします。つまり「ハッタリ」で脅かしてくるんですよ。

ですから時には、そんなハッタリにひるむことなく、『今回ばかりはそんなの通用しないからね!』と、と夫の逆ギレを返り討ちにする強い妻の姿を見せたほうがよいこともあります。

実際、浮気を認めようとしない夫に、妻の堪忍袋の緒が切れて、今までにないくらい本気になって怒ったら、いつもなるすぐに逆ギレする夫がタジタジになり、最後は夫が半泣きになって全身全霊で謝ってきた、というお話も伺うことがあります。

もともと男性は甘えん坊ですから、本気を見せたら妻のほうが強いです。

妻として、「夫がどうしても許せないことをした」ときには、それをわからせてあげることも必要なことです。

要は『妻をナメんな!』ということなんですね。

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